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ココロバエ
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ジワジワ

2013.04.23

No.17 表紙&表4 今日は17回目の『Japanist』発刊記念日。

 おおむね発送の手配を済ませ、充足感とともにページを繰っている。前回、はからずもこのブログで「痛切な反省」の弁を述べてしまったが、今回はそのときの反省をもとに修正を施した。よって、かなりブラッシュアップされたと実感している。

 とはいっても、多くの読者はあまり気づかないかもしれない。でも、それでいい。「なんとなく変わったかもな」という変わり方がいちばんいいと思っているからだ。

 しばしば名刺交換をして、「この名刺はなんとなくセンスがいい」と思うことがあるが、そういう名刺は決まって細かい部分にまで気を配られている。全体のデザインは言うに及ばず、余白の取り方、フォントの選択と大きさ、字間・行間のバランス、そして情報の取捨選択と的確な優先順位。たかが名刺といえど、数え上げればきりがないほど選択肢がある。約130ページの本(あえて雑誌と呼ばない)であれば、それこそ天文学的な選択肢だ。それらに対し、ひとつひとつ適宜判断をくだしていく。思えば、編集とは人の編集であり、選択肢の編集でもあるのだ。

 先日、ある方から電話があり、「この前、NHKのFM放送を聴いていたら女性のシャンソン歌手が『Japanist』のことを話題にしていて、その方は日本一の雑誌だと言っていましたよ」と教えてくれた。残念ながらシャンソン歌手の名は忘れてしまったらしいが、そういうベタ褒めは大々的にではなく、さりげないところで言ってくれるのがいい。負け惜しみととられては困るが、私は『Japanist』が急に普及することを望んでいない。そういう展開の仕方は、なんらかの反動を伴うはずだ。それは自然の理に反する。良さがわかる人の間でジワジワと浸透していくことが最も望ましいと思っている。「ジワジワ」、これがいいんです。

 今、世間を跋扈しているのは、手っ取り早く合理的に利を得るための方法論ばかり。それは本質的なあり方の対極にあると思う。そんな小手先の方法でなんらかの果実を得ても、満足感は少ないだろうし、また、すぐに陳腐化してしまうにちがいない。

 新生『Japanist』は、表紙の文字を最小限にし、新たな企画を3つ加え、インタビュー記事のデザインフォーマットを変更し、その他、随所にメスを入れた。

 しかし、まだまだ改良の余地があると思う。今後も「ジワジワと」改良していくつもりだ。

(130423 第418回)

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田口佳史講座ライブ配信
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Profile

髙久多美男

髙久多美男

(撮影:森 日出夫)

●1959年生まれ

●1987年、広告の企画・制作を営む株式会社コンパス・ポイントを設立

●2009年、『Japanist』を編集・発行するジャパニスト株式会社を設立(2019年1月、刊行終了)

●「遊び、学び、仕事は皆同じ」がモットー。すべからく本質を求める

■本は永遠の師匠

19世紀フランス文学から20世紀アメリカ文学、さらには現代日本文学。歴史(特に日本近代史)、あらゆる生活・芸術分野から政治・経済の分野まで、本には強いな愛着を示す

■No Music, No Life

あらゆるクラシック音楽と1950年代以降のジャズ、R&B、60年代以降のロック、ワールドミュージックなど、とにかく雑食

■生涯、美を求めたい

桃山から江戸にかけての日本美術、岡倉天心一派以降の近代絵画を特に好む。ヨーロッパの近代絵画など、こちらも雑食

■敬愛する歴史上の人物

尊敬する人物は大久保利通。ほかに幕末から明治にかけて活躍した男たち。戦国武将では武田信玄、戦後の政治家では岸信介

■思索の遊び

禅、儒学、老荘思想、マキャヴェリズムを組み合わせながら、独自の思想を構築中

■いやなもの

共産主義や日教組などの極端な左翼思想(極端な右翼も嫌い)、地球市民幻想、新興宗教

■その他

日常的に走る他、毎年夏、山に登る。体型はずっと変わらず。便利なことよりも美しさに価値を見いだす

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