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ココロバエ
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ストレスのおかげで

2007.11.04

 ただでさえ不健康な仕事をしている。毎日数時間は机に座り、パソコンに向かっている。当然、電磁波をたっぷりと浴びていることだろう。

 おまけに最近は満員電車に揺られることが多くなった。よもやこの歳でそのような状況になるとは夢にも思わなかったが、これも自ら選んだ道、と自分を納得させている。

 ある説によると、人間というものは、半径数十センチに知らない人が近づくと、自動的に体内のセキュリティアラームが作動するようになっているという。言い換えれば、数十センチに近づいてもそれが作動しない人は親しい人ということができる。

 その説は正しいと私も思うのだが、そう考えれば、満員電車に乗っている時は体内のセキュリティアラームが鳴りっぱなしということになる。本人は気づかずとも、体や脳は拒絶反応をしているのだ。ただ、慣れというものは恐ろしいもので、そのアラームを感知しない人間になっているというだけのことだろう。

 そんなわけで、最近なにかとストレスフルな時間が多い私が、リセット用にとる手段は自然の中に身をおくことである。親しい人と、ただ美しい自然のなかを歩くだけで、みるみる心身が潤いを増してくる様子がわかる。

 福島県喜多方市の近くにある雄国沼高原へ行った(おぐにぬま、と読む)。展望台から眺める雄国沼一帯は、その名の通り、雄大な国の沼。夏はニッコウキスゲが群生し、多くの観光客で賑わうというが、この季節は人もまばらで、それがまたいい。沼面に映る抜けるような秋の青空、平原を渡る涼風、色づき始めている木々の葉……、まさに今こうしている時も、あの時に見た高原が存在していること自体が不思議である。こういう穴場をよくご存知の方と言えば、「御屋方様」の異名をとる、あのお方しかいない。

 しかし、不思議なもので、では自然の中で暮らしたいか、と問われれば、首を縦に振ることはないだろう。逆説的になるかもしれないが、日々ストレスを溜める仕事をしているおかげで自然のありがたさに気づいているとも言えるのである。

(071104 第19回 写真は雄国沼高原のハイキングコース)

 

 

 

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Profile

髙久多美男

髙久多美男

(撮影:森 日出夫)

●1959年生まれ

●1987年、広告の企画・制作を営む株式会社コンパス・ポイントを設立

●2009年、『Japanist』を編集・発行するジャパニスト株式会社を設立(2019年1月、刊行終了)

●「遊び、学び、仕事は皆同じ」がモットー。すべからく本質を求める

■本は永遠の師匠

19世紀フランス文学から20世紀アメリカ文学、さらには現代日本文学。歴史(特に日本近代史)、あらゆる生活・芸術分野から政治・経済の分野まで、本には強いな愛着を示す

■No Music, No Life

あらゆるクラシック音楽と1950年代以降のジャズ、R&B、60年代以降のロック、ワールドミュージックなど、とにかく雑食

■生涯、美を求めたい

桃山から江戸にかけての日本美術、岡倉天心一派以降の近代絵画を特に好む。ヨーロッパの近代絵画など、こちらも雑食

■敬愛する歴史上の人物

尊敬する人物は大久保利通。ほかに幕末から明治にかけて活躍した男たち。戦国武将では武田信玄、戦後の政治家では岸信介

■思索の遊び

禅、儒学、老荘思想、マキャヴェリズムを組み合わせながら、独自の思想を構築中

■いやなもの

共産主義や日教組などの極端な左翼思想(極端な右翼も嫌い)、地球市民幻想、新興宗教

■その他

日常的に走る他、毎年夏、山に登る。体型はずっと変わらず。便利なことよりも美しさに価値を見いだす

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