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常識って何だ?

2012.10.18

 最近、医療・健康・農産物などに関する「常識」っ

て、いったい何だろうと思うことが多い。特に医療の世界は、相当巧妙に「常識」がつくられているなと感じることが多い。
 私の数少ない自慢のひとつに「創業以来、病気で仕事を休んだことがない」というものがある。1987年4月の創業以来だから、じつに25年6ヶ月! このことを話すと、たいがい驚いてくれる。べつに驚いてほしくてそうしているわけじゃないんだが、とにかく不愉快な時間をつくりたくない。だから、健康体でいられるよう自己管理しているということなのだ。
 ところが、そういう体をもっている私であるが、γ-GTPだけが異様に高かった。今年1月に受けた人間ドックでもすべて正常だったが、その数値だけが210と突出していた(通常、男性の場合、70までと言われる)。その傾向はここ5、6年ほど続いており、気になるのでときどき血液検査を受けるのだが、その都度、医師からは「お酒を控えることですね」と言われ続けてきた。
 とはいうものの、私は酒が好きなんである。おいそれとやめるこ

とはできない。そこで、なるべく2日に1回、酒を抜こうと思った。酒をぬいた日はカレンダーに○をつけ、飲んだ日は×をつけていた。どうしても会食の機会も多く、また根っから好きなので、目標をクリアできた月はあまりないのだが、それでも一ヶ月に13日くらいは酒を抜いていた。これだけの “実績” を残せば、山田宏さんなら必ず褒めてくれると思う。
 それでもγ-GTPは180~220あたりをウロウロしていた。人によっては毎日飲んでも20とか30というケースもあるので、自分は肝機能が弱いのだろうと半ばあきらめていた。
 ところがである! なんと、一気に95に下がったのだ。

 今年6月、肩こりがひどいので伊豆のヒポクラティックサナトリウムに行った話はすでに書いた。5泊6日の断食療法(正確

には完全な断食ではないが)を実施しただけで肩こりはウソのように消え、体調がすこぶる良くなった。
 そのとき、最初の個人面断で石原結實先生はひとしきり私の目、舌、腹部などをチェックした後、「健康体ですね。長生きしますよ」と言ってくれた。特に腹筋が厚い人はいいのだという。筋肉が腹巻きのように保温効果を促すので、病気になりにくいのだとか。
「なにか病気はありますか」
「特にありませんが、いつもγ-GTPが高いんです。1月も210ありました。なるべく酒は控えているのですが」
「あ、それは水の飲み過ぎですね。あなた、たくさん水飲むでしょ?」
「そう言われればそうですね。水が体にいいと思い込んでいましたから」
「γ-GTPは水にも反応しますから、それですよ。お酒は適量なら毎晩飲んでも大丈夫です。第一、飲んだらカレンダーに×をつけるということの方がよほど

 

体に悪いですよ」
 と、そうあっさり言うではありませんか! 思わず、ニヤけてしまったのは言うまでもない。
 それからの4ヶ月間、素直な私は毎晩飲み続けた。“適量” は自分の体に聞くことにして。缶ビール1~2本と純米酒1~2合くらい。ちなみに、私は日本酒ファンだが、アルコールが添加されている混ぜモノは飲まない。純米酒だけを飲む。その意図は『Japanist』で連載している通りである。石原氏にはあんなことを言われたが、ほんとうはちがうんじゃないかな。もう300くらいに上がっているんじゃないかな、という気持ちもないわけではなかった。
 おそるおそる近くのクリニックをたずね、血液検査をしてもらったところ、前述のように一気に半分以下に下がったのである。
 その結果を聞きながら、医師にそれまでの経緯を簡単に説明したのだが、端から信用しようとしない。「水分を減らしてγ-GTPが下がるなんてありえない、だからシロートは困るんだよな」という表情なのだ。
 最近、他にもそういう事例はあるのだが、一度しみついてしまった「常識」をはずすのは容易ではない。特に高度な科学的教育を受けた人はそういう傾向が強い。自分が積み上げてきた知識が絶対だと思っている。事実よりも自分の知識の方が正しいと思っている。あまり大きい声では言えないが、そういう人を私は「バカ」だと思っている。もちろん、水が悪いわけではない。しかし、飲み過ぎはいけない。食べ過ぎもいけない。バランスが大切、中庸が大切といにしえの人たちから何度も教えられていたのに、実行できない自分がアホだった。
 今回のこともあり、これまでの「常識」とはいったいどのようにしてつくられているのか興味が湧いてきた。なぜ、血圧は130を超えたら高いと言われるの

か、なぜ効きもしないワクチンを打つのか、なぜ弊害だらけのサプリが堂々と売られているのか……。
 答えは明白だろう。
 それを考えるのが我々一人ひとりの務めです。じゃないと、戦時中のようにサイパンが陥落するまで日本は連戦連勝だと思い込んでいたという、あの情報操作の二の舞になってしまう。
 最後に付け加えるが、最近、胸に聴診器を当てる医者が少なくなった。そのかわり、パソコンばっかり見ている。それで患者の体の状態がわかるのだろうか?
 それにしても石原結實さん、あなたこそ本当の名医です。
(第375回 写真は、私がもっとも好きな酒・鳳凰美田、坂田甚内作・小鉢、タイで買った焼きもの)

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Profile

髙久多美男

髙久多美男

(撮影:森 日出夫)

●1959年生まれ

●1987年、広告の企画・制作を営む株式会社コンパス・ポイントを設立

●2009年、『Japanist』を編集・発行するジャパニスト株式会社を設立(2019年1月、刊行終了)

●「遊び、学び、仕事は皆同じ」がモットー。すべからく本質を求める

■本は永遠の師匠

19世紀フランス文学から20世紀アメリカ文学、さらには現代日本文学。歴史(特に日本近代史)、あらゆる生活・芸術分野から政治・経済の分野まで、本には強いな愛着を示す

■No Music, No Life

あらゆるクラシック音楽と1950年代以降のジャズ、R&B、60年代以降のロック、ワールドミュージックなど、とにかく雑食

■生涯、美を求めたい

桃山から江戸にかけての日本美術、岡倉天心一派以降の近代絵画を特に好む。ヨーロッパの近代絵画など、こちらも雑食

■敬愛する歴史上の人物

尊敬する人物は大久保利通。ほかに幕末から明治にかけて活躍した男たち。戦国武将では武田信玄、戦後の政治家では岸信介

■思索の遊び

禅、儒学、老荘思想、マキャヴェリズムを組み合わせながら、独自の思想を構築中

■いやなもの

共産主義や日教組などの極端な左翼思想(極端な右翼も嫌い)、地球市民幻想、新興宗教

■その他

日常的に走る他、毎年夏、山に登る。体型はずっと変わらず。便利なことよりも美しさに価値を見いだす

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