第6回タカタラ賞、発表!
前回に続いて6回目は、春陽展(撮影点数68点)から9点を紹介する。撮影点数が圧倒的に多いということからもわかるように、私好みの作品が目白押しで、会場を観て回るのがとても楽しかった。
春陽会が主催する同展は今回で103回目。公式サイトには、会の創設について下記のような記述がある。
――春陽会は1922年(大正11年)、小杉未醒、足立源一郎、倉田白羊、長谷川昇、森田恒友、山本鼎、梅原龍三郎、さらに客員として石井鶴三、今関啓司、岸田劉生、木村荘八、中川一政、萬鉄五郎が参加して、院展洋画部と草土社が合流した団体として創立されました。
翌1923年(大正12年)に第1回展が開催され、その後、加山四郎、岡鹿之助、三雲祥之助、高田力蔵等フランス帰朝組に続いて、中谷泰、南大路一、また版画部には長谷川潔、駒井哲郎、清宮質文等、日本美術史に名を刻む多くの画家たちが参加しています。
錚々たる顔ぶれが会の発足に関わったことがわかる。このような組織が今も活況にあるのは素晴らしいことだ。
藤本俊英「神の家 2026―2」。画題、色彩、構図、筆致など、どれも独自性があり、一見して心に響く。それこそ神の恩恵だろう

四谷明子「島」。一転して自然の厳しさ、無情が表現された力強い作品。自然は人に優しいばかりではない、過酷さを併せ持つ不条理な世界だ

三島耕二「山土人」。山と土と人は同じものからできている。そういうテーマなのかどうかはわからないが、身土不二という真理を喚起させられる。ところどころに見える線が作品を意思的にしている。これらの線がないと茫洋として伝える力が半減するだろう

星野文和「腐植土」。マチス風だが、色調もタッチも自分のものにしている。山羊(?)や樹木のトリミングが大胆。タイトルもイメージを広げる

福田泰子「その先にあるもの無限」。まっすぐに伸びた道路とその先にある海と街と山と白雲が一直線に連なっている。雲をはさんだ上下の空の色が違っているところが光っている

伊藤昌徳「山間秋景」。巨大なカボチャやリンゴ、柿、栗などが山間の風景に溶け込んでいる。常識のタガをはずしてくれる

米原淳子「さきわう春―2」。ふだん目に留めることのない地面に意識を向けると、こんなに豊穣な世界が広がっている。命がさきわう春である。互いに主張しない淡い色調がいい

田中俊行「緑陰風景」。キュビズムの技法を援用しながら鬱蒼とした林の木漏れ日を描いている

藤村幸生「古代の月 宴」。着想がじつにユニーク。あれこれ考えてもいいし、ただ絵を眺めるのもいい。このような発想ができれば、画題は無限大だろう

(260505 第1317回)
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