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紺碧の将

ラーメンの王道

2019.10.27

 東京にはほぼなんでもある。本物とまがいもの、美しいものと汚いもの。すべてにわたって多種多様で、ちょっとくらい個性的でも埋もれてしまうほど巨大な坩堝(るつぼ)だ。

 食べ物もなんでもある。選び放題。

 しかし、腑に落ちないものがある。ラーメンだ。私はとくだんラーメンが大好きというわけではないが、ときどき無性に食べたくなる。しかし、東京のラーメンはほぼ不味い。というか、私の好みに合わない。

 基本的に、コテコテドロドロのスープに腰のない麺。量はやたらと多い。行列ができる店ほどそういう傾向がある。

 私は昔ながらのラーメンが好きだ。酒を飲んだあと、小腹がすいたとき、そういうあっさりラーメンが合う。そういえば、私は関東人では珍しく、蕎麦派ではなくうどん派だが、山梨のほうとうみたいなものは好きではなく、稲庭とか氷見のような細くて腰のある、あるいは讃岐のような太くて腰のある麺が好きである。

 先日、再び裏磐梯を訪れ、天気も悪かったため、帰りに初めて喜多方へ行った。目的はもちろん、ラーメンである。

 どこと決めず、適当に選んだ。そこで食べたラーメンは、まさにラーメンの王道をいく風格だった。あっさりした醤油味のスープに腰のある麺。見た目にも、ラーメンの王道をいっている。惜しむらくは、麺だ。腰はあるが、少し粉っぽい。私がいちばん好きなのは、佐野ラーメンなのである。青竹を使って麺を伸ばした、ごくごくあっさりのラーメンである。麺はうまい具合に縮れ、ほどよくスープをまとわせる。麺の太さは一定ではなく、それをマイナス点と見る人もいるだろう。

 生まれ育ったところに近いためか、すんなりと体に入ってくる。佐野らーめんは都内ではほとんど遭遇しないから、やはり人気はないのだろう。

 京都に住む娘が言っていた。関西のラーメンは美味しいよ、と。娘の味覚は私に近いから、多少は信用してもいいかもしれない。わざわざ関西へ行ってラーメンを食べることはないからわからないが、いずれ試してみたいものだ。

 

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●『葉っぱは見えるが根っこは見えない』

●『結果をだす男 中田宏の思考と行動』

(191027 第942回)

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