多樂スパイス

大地の鏡

2010.06.10

 東京から帰ってくるとき、ほとんど新幹線を使わない。と言うと、たいがい驚かれる。

 以前も書いたが、在来線での移動は読書よし、音楽鑑賞よし、昼寝よし、アイデア練りもまたよし、と、私にとってあの1時間30分はけっこう貴重である。

 特に、夕方、車窓の風景を眺めながらの移動は、さながら旅のようで、まったく苦痛ではない。大宮を超えると、だんだん田園風景に変わってくるが、5月上旬ともなれば、地面はまるで鏡のようになり、空を映すのである。

 雲の動きや夕日の色の変化など、大地の鏡を通して見る風景は、いちだんと生き生きしている。やっぱり、地球そのものは生き物なのだということがよ〜くわかる。

 詩想が豊かであれば、ひとつやふたつ気の利いた詩でもひねりたいのだが、どうもそちらの才能はなさそうだ。もちろん、歌も同様。

 ところで、田園風景に合う音楽は何だろうか。

 ベートーヴェンの『田園』と言いたいところだが、私の経験によれば、ラフマニノフやスクリャービンなどの近代ロシア系である。今までに幾度もうっとりさせられた。

 もっとも、それは私だけの感じ方かもしれないが。

(100610 第173 写真は埼玉県蓮田市あたりの田園)

 

 

 

 

 

 

 

 

Profile

高久多美男

高久 多美男

(撮影:森 日出夫)

●1959年生まれ

●1987年、広告の企画・制作を営む株式会社コンパス・ポイントを設立

●2009年、『Japanist』を編集・発行するジャパニスト株式会社を設立(2019年1月、刊行終了)

●「遊び、学び、仕事は皆同じ」がモットー。すべからく本質を求める

■本は永遠の師匠

19世紀フランス文学から20世紀アメリカ文学、さらには現代日本文学。歴史(特に日本近代史)、あらゆる生活・芸術分野から政治・経済の分野まで、本には強いな愛着を示す

■No Music, No Life

あらゆるクラシック音楽と1950年代以降のジャズ、R&B、60年代以降のロック、ワールドミュージックなど、とにかく雑食

■生涯、美を求めたい

桃山から江戸にかけての日本美術、岡倉天心一派以降の近代絵画を特に好む。ヨーロッパの近代絵画など、こちらも雑食

■敬愛する歴史上の人物

尊敬する人物は大久保利通。ほかに幕末から明治にかけて活躍した男たち。戦国武将では武田信玄、戦後の政治家では岸信介

■思索の遊び

禅、儒学、老荘思想、マキャヴェリズムを組み合わせながら、独自の思想を構築中

■いやなもの

共産主義や日教組などの極端な左翼思想(極端な右翼も嫌い)、地球市民幻想、新興宗教

■その他

日常的に走る他、毎年夏、山に登る。体型はずっと変わらず。便利なことよりも美しさに価値を見いだす

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