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美し人
美し人

滅びゆく者へのシンパシー

2019.06.17

 自分のなかで、なにかが変質している。そう感じる瞬間が増えてきた。そうはいっても、具体的に説明できるものは少ない。

 4月、唐招提寺を訪れたとき、こんなことがあった。多くの人が、ある名木に群がっている。スマホをかざし、撮影に懸命だった。しかし、私は別の方に気を取られていた。

 なんてことのない光景だと思う。白い椿の花が落ちていたのだ。なぜか一部が赤い。苔むした庭に、鮮やかな散り際を見せていた。美しいと思った。下の写真は、新宿御苑で見た桔梗だが、私に向かってなにかを訴えているように思えた。もちろん、気のせいだと思う。でも……、なにかを感じてしまったのだ。

 おそらく、自分自身が向かっている方向とシンクロしているのだろう。もちろん、それは生の終焉である。

「老子第五十」には「出て生き入りて死す」とあるから、ある大きな懐へ帰っていくことが死だと認識できるようになったが、それにしてもさまざまな生き物が見事な〝散り際〟を見せてくれる。うーにゃんの最期は、今思い返しても崇高だった。

 さて、自分はどうなんだろう? ときどきそう思うようになった。もちろん、すぐに〝そこ〟へ至るわけではない。いまだに体はシャキシャキと動くし、病気ひとつしない。なにをやっても楽しく過ごせるし、どうすれば自分は充実するのか、より正確にわかってきた。これも年齢を重ねた恩恵であろう。

 とはいえ、少しずつなにかが忍び寄っているのを感じる。その正体がなになのかはわからない。いや、わからなくていい。そのうち、親和するのだから。

 

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「美し人」公式サイトの「美しい日本のことば」をご覧ください。その名のとおり、日本人が忘れてはいけない、文化遺産ともいうべき美しい言葉の数々が紹介されています。

https://www.umashi-bito.or.jp/column/

(190617 第909回)

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Profile

髙久多美男

髙久多美男

(撮影:森 日出夫)

●1959年生まれ

●1987年、広告の企画・制作を営む株式会社コンパス・ポイントを設立

●2009年、『Japanist』を編集・発行するジャパニスト株式会社を設立(2019年1月、刊行終了)

●「遊び、学び、仕事は皆同じ」がモットー。すべからく本質を求める

■本は永遠の師匠

19世紀フランス文学から20世紀アメリカ文学、さらには現代日本文学。歴史(特に日本近代史)、あらゆる生活・芸術分野から政治・経済の分野まで、本には強いな愛着を示す

■No Music, No Life

あらゆるクラシック音楽と1950年代以降のジャズ、R&B、60年代以降のロック、ワールドミュージックなど、とにかく雑食

■生涯、美を求めたい

桃山から江戸にかけての日本美術、岡倉天心一派以降の近代絵画を特に好む。ヨーロッパの近代絵画など、こちらも雑食

■敬愛する歴史上の人物

尊敬する人物は大久保利通。ほかに幕末から明治にかけて活躍した男たち。戦国武将では武田信玄、戦後の政治家では岸信介

■思索の遊び

禅、儒学、老荘思想、マキャヴェリズムを組み合わせながら、独自の思想を構築中

■いやなもの

共産主義や日教組などの極端な左翼思想(極端な右翼も嫌い)、地球市民幻想、新興宗教

■その他

日常的に走る他、毎年夏、山に登る。体型はずっと変わらず。便利なことよりも美しさに価値を見いだす

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