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紺碧の将

晩秋の「夏空」

2018.12.18

 あと一ヶ月で今年も終わろうというのに、沖縄は真夏の空が広がっていた。天は低く、白い雲は夏模様に折り重なっている。雲がないところは、抜けるような青空だ。思わず、イーグルスの「テイク・イット・イージー」や「テキーラ・サンライズ」を歌いたくなってしまう。

 秋の装いでは暑すぎるためTシャツ一枚になるが、それでも外を歩けば汗が出てくる。

「ここはほんとうに日本か?」

 たびたびそう思った。

 もちろん、日本である。同じ時期、北海道では初雪を観測していたはずだが、南の島では真夏の気候。この多層的で複雑な気候の幅が日本列島を魅惑の島になさしめている最大の要因だろう。

 写真右上は、前回紹介した今帰仁城(なきじんグスク)跡のチケット売り場がある建物の屋根。オレンジ色の優美な屋根瓦と真っ青な空が絶妙なコントラストをなしている。それを見ているだけで、心がおおらかになってくる。穏やかな気候は、そういう心理作用をもつ。

 写真下は以前紹介した「ぬちまーす製塩ファクトリー」が建つ断崖から見た「果報バンタ」の風景。果報(かふう)バンタのバンタとは沖縄の方言で「崖」という意味で、『Japanist』の推薦者として名を連ねていただいている伊那食品工業の塚越寛氏によって命名された。

 エメラルドグリーンのグラデーションが描く美しい海と岬の景色はパワースポットとしても知られている。別名「幸せ岬」と言われており、「ぬちの浜」(命の浜)には満月の夜、ウミガメが産卵にやってくるという。まさに命を育む海である。

 ちなみに、「ぬちまーす」の塩は、その海水を使っている。ぬちまーすは鯛などの白身魚の刺し身と絶妙な相性があるが、それも海水の質ゆえであろうか。

 

「美し人」

美の生活化―美しいものを人生のパートナーに

 

※悩めるニンゲンたちに、名ネコ・うーにゃん先生が禅の手ほどきをする「うーにゃん先生流マインドフルネス」連載中。第34話は「言葉は凶器にもなる」。

https://qiwacocoro.xsrv.jp/archives/category/%E9%80%A3%E8%BC%89/zengo

(181218 第865回)

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