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ガンガラーの谷

2018.12.10

 地面の裂け目から石を落とすと、ガン、ガン、ガン、ガラガラガラ……という音が聞こえたことから命名されたというガンガラーの谷。鍾乳洞の上部が崩落し、長い時間をかけて谷が削られてできたという、その谷は沖縄県南城市にある。

 なんといっても最大の見所は「大主(ウフシュ)」と呼ばれる巨大ガジュマル。根っこだけで人間の身長の7倍ほどもある。下から見上げると、目が眩みそうなほど背が高い。

 私は来月『葉っぱは見えるが根っこは見えない』という本を出す予定だが、タイトルを『葉っぱは見えるが根っこも見える』と変える必要がありそうだ。それくらい根っこが丸見え。

 ガイドが面白いことを言っていた。ガジュマルは歩くというのだ。枝から細い根を無数に垂らし、地面に到着するや水分を吸い上げ、根を太くする。それを繰り返しながら幹を移動させるというのだ。もちろん、生存するために有利な場所へ移動するのである。

 なんと途方もない時間軸か。数センチ移動するために要す時間はどれくらいなのだろう。それでもガジュマルは粛々と動く。せっかちな私には考えられない時間軸だ。

 イナグ洞とイキガ洞もユニークである。イナグ洞は写真の通り、ズバリ男根である。羨ましくなるほどの巨根が暗闇にぶら下がっている。ランプの光を当てると、思わずギクッとする。己の小ささに(なにの? もちろん人間の器に)愕然とさせられる。これに触れると子宝が授かるというので、つい触ってしまった。残念ながらもう一方の女性のイキガ洞は見られなかった。やはり女性は秘するに限る。想像するだけでじゅうぶんである。

 

 ガンガラーの谷ではずっと発掘調査が行われている。約1万8000年前に生きていた「港川人」が住んでいたところだ。港川人とは、1970年、沖縄県南部の石灰岩採石場で発見された人類である。発見された4体の内、港川人1号と言われる1体は、人骨は頭の先から足の先まで骨が揃っていた。調査によって身長はおおよそ150cm前後、年齢は40歳くらいということまでわかっている。彼らは洞窟のなかで雨風をしのぎながら森で狩猟採集をしていたのだろう。はるか太古の昔に思いを馳せながら森のなかを歩くというのはなかなか神妙な体験であった。

 ツアーが終わり、地上に上がると、そこはハブ園の入り口で、ガラスケースに入ったハブさんが待ち受けていた。寿命が1週間くらい縮まったことは言うまでもない。

 

「美し人」

美の生活化―美しいものを人生のパートナーに

 

※悩めるニンゲンたちに、名ネコ・うーにゃん先生が禅の手ほどきをする「うーにゃん先生流マインドフルネス」連載中。第33話は「どんな日も〝いい日〟につながっている」。

https://qiwacocoro.xsrv.jp/archives/category/%E9%80%A3%E8%BC%89/zengo

(181210 第863回 写真上は大主(ウフシュ)。下はイナグ洞:ガンガラーの谷の公式サイトより)

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Profile

髙久多美男

髙久多美男

(撮影:森 日出夫)

●1959年生まれ

●1987年、広告の企画・制作を営む株式会社コンパス・ポイントを設立

●2009年、『Japanist』を編集・発行するジャパニスト株式会社を設立(2019年1月、刊行終了)

●「遊び、学び、仕事は皆同じ」がモットー。すべからく本質を求める

■本は永遠の師匠

19世紀フランス文学から20世紀アメリカ文学、さらには現代日本文学。歴史(特に日本近代史)、あらゆる生活・芸術分野から政治・経済の分野まで、本には強いな愛着を示す

■No Music, No Life

あらゆるクラシック音楽と1950年代以降のジャズ、R&B、60年代以降のロック、ワールドミュージックなど、とにかく雑食

■生涯、美を求めたい

桃山から江戸にかけての日本美術、岡倉天心一派以降の近代絵画を特に好む。ヨーロッパの近代絵画など、こちらも雑食

■敬愛する歴史上の人物

尊敬する人物は大久保利通。ほかに幕末から明治にかけて活躍した男たち。戦国武将では武田信玄、戦後の政治家では岸信介

■思索の遊び

禅、儒学、老荘思想、マキャヴェリズムを組み合わせながら、独自の思想を構築中

■いやなもの

共産主義や日教組などの極端な左翼思想(極端な右翼も嫌い)、地球市民幻想、新興宗教

■その他

日常的に走る他、毎年夏、山に登る。体型はずっと変わらず。便利なことよりも美しさに価値を見いだす

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