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紺碧の将

宇都宮美術館のアプローチ

2009.09.19

 子どもの頃から絵が好きだった。高校時代に油絵を始め、その後、細々とながら6年くらい描き続けた。

 そのうち自分には圧倒的に才能がないということがわかり、筆をおいた。

 そんなわけだから、美術館巡りは好きだ。今までで印象に残っているのは、パリのピカソ美術館、オランジュリー美術館、プチ・パレ、マドリッドのレイナ・ソフィア、バルセロナのピカソ美術館、ニューヨークのグッゲンハイム美術館等々。意外とイタリアには好きな美術館がない。

 国内では、特にこれといって際だった印象の美術館は少ないが、強いてあげれば箱根のポーラ美術館や裏磐梯の諸橋近代美術館、六本木のサントリー美術館やデザインサイト21_21などかな。

 最近はほとんど日本画に心を奪われているので、おのずとそっち方面の作品を収蔵しているところへ行く機会が多い。北茨城の天心記念美術館はほぼ毎回訪れているし、今秋は島根の足立美術館を訪れるつもりだ。くしくも来月同時期にオープンする山種美術館と根津美術館は、今後贔屓のスポットとなるにちがいない。

 

 ところで、シチュエーションとして最も好きなのは、宇都宮美術館である。地元だからの贔屓目もあるだろうが、ここはなんといっても長いアプローチがいい。身障者は別として、この美術館に行きたい人は森を拓いて作った、なだらかに上るアプローチを数分歩かなければならない。左手はオオタカの棲む森、右手は広大な芝の空き地といった具合だ。

 このアプローチで否応なく世間の塵芥を落とすことができる。日常生活から一気に絵を見るモードに移るのは容易ではないが、この長いアプローチがそれを可能にしてくれる。絵を鑑賞した後、美しい雑木林に隣接したレストランで本を読みながらお昼を食べるのがお気に入りの過ごし方だ。

 今日は、明日から始まる「栄光のルネサンスから華麗なロココ」展のレセプションがあり、一足早く作品を見てきた。作品に関しては、ノーコメント。キリスト教のことはさっぱりわからないので、あの手の絵もさっぱりわからない。この前に開催されていた「白樺派の愛した美術」はなかなか良かったけど。

 それでも美術館にいるという事実を堪能できるところがいい。

(090919 第117回 写真は宇都宮美術館へと続くアプローチ)

 

 

 

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