シンプルな教え
明治26年、島津家30代・島津忠重のために島津家家庭尋常小学校が作られ、市内から選抜された30名の生徒とともに学んだ。校名に「家庭」と名がつくことから、島津家のための養成所だったのだろう。わずか8年で廃校となった。
学校としての期間は短かったが、教育内容は良かったのだろうと推測できる。右写真のように、旧薩摩藩の教え「郷中教育」を叩き込んだ。
一、負けるな
一、ウソをつくな
一、弱い者をいじめるな
じつにシンプルである。だれが見ても、「なんだ、そんなことか」と思うだろう。
しかし、その「そんなこと」ができないのだ。頭ではわかっていても、実行するのは難しい。まして、長い人生にわたって貫徹できるような「人格」まで昇華できる人はごく稀だろう。
しかし、ひとたびこの教えが心身に叩き込まれたとしたらどうか。この人の声望は高まり、人生を実りあるものにしてくれるだろう。
それこそが教育なのだと思う。知識や受験テクニックなどは、あとでいかようにもマスターできる。まして、なんでもすぐ答えが得られてしまう現代にあって、ただ知識が豊富というだけでは無用の長物となりかねない。
なぜ、薩摩藩から大人物がたくさん輩出されたのか、その源泉がわかるような気がする。
※悩めるニンゲンたちに、名ネコ・うーにゃん先生が禅の手ほどきをする「うーにゃん先生流マインドフルネス」、連載中。
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(171219 第775回)