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ココロバエ
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美しき結び目

2017.10.31

 どうやら私は飲んべえと思われているようだ。たしかに、年365日、毎晩欠かさず酒を飲んでいる。わが家のエンゲル係数は比較的高いと思うが、食費に占める酒代もかなり高いだろう。なにしろ、妻も365日飲むし、今、同居していない娘も同じだ。そんなわけで、日本酒とウイスキーは常備している。

 だからなのか、しばしば日本酒の贈り物がある。

 過日、送ってもらった時は、妙に感動した。包装紙を解くと、写真のような風呂敷包みが入っていたのだ。

 その結び目にいたく感じ入り、思わず撮影した。

 日本には古来、多様な結び方がある。ロープを縛るなどの実用的なそれではなく、美しく見せるため、心を込めるための結び方である。

 くだんの結び、解くのも容易ではなかった。まして、同じように結んでみろと言われたら、降参する以外ない。

 それにしても、合理性とは真逆をいく、こういう文化。先人たちのセンスに、あらためて感心する。

 世はなんでもかんでも合理性、効率性。でもなあ、バランスを欠いたら、スカスカの味気ない生活になってしまう。合理的な発想がないのも問題だが、効率一辺倒になってしまうのも問題。両者のバランスをはかるには、リベラルアーツを学ぶことと、心に余裕を持つことなのだと思っている。

(171031 第763回)

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Profile

髙久多美男

髙久多美男

(撮影:森 日出夫)

●1959年生まれ

●1987年、広告の企画・制作を営む株式会社コンパス・ポイントを設立

●2009年、『Japanist』を編集・発行するジャパニスト株式会社を設立(2019年1月、刊行終了)

●「遊び、学び、仕事は皆同じ」がモットー。すべからく本質を求める

■本は永遠の師匠

19世紀フランス文学から20世紀アメリカ文学、さらには現代日本文学。歴史(特に日本近代史)、あらゆる生活・芸術分野から政治・経済の分野まで、本には強いな愛着を示す

■No Music, No Life

あらゆるクラシック音楽と1950年代以降のジャズ、R&B、60年代以降のロック、ワールドミュージックなど、とにかく雑食

■生涯、美を求めたい

桃山から江戸にかけての日本美術、岡倉天心一派以降の近代絵画を特に好む。ヨーロッパの近代絵画など、こちらも雑食

■敬愛する歴史上の人物

尊敬する人物は大久保利通。ほかに幕末から明治にかけて活躍した男たち。戦国武将では武田信玄、戦後の政治家では岸信介

■思索の遊び

禅、儒学、老荘思想、マキャヴェリズムを組み合わせながら、独自の思想を構築中

■いやなもの

共産主義や日教組などの極端な左翼思想(極端な右翼も嫌い)、地球市民幻想、新興宗教

■その他

日常的に走る他、毎年夏、山に登る。体型はずっと変わらず。便利なことよりも美しさに価値を見いだす

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