多樂スパイス
HOME > Chinoma > ブログ【多樂スパイス】 > 芳賀一葉展で時を遡る

芳賀一葉展で時を遡る

2009.05.25

 人間て面白いね。どうしてこうもオモシロイ生き物を神様は創造したんだろう。いろいろなヤツがいる。優秀な人、おバカな人、大らかな人、セコイ人、かっこいい人、不細工な人、親切な人、イジワルな人……カテゴリー別に分けたら枚挙にいとまない。

 何が好きか、というテーマで人を分類してもオモシロイ。雪の結晶だけを研究する人、虫だけを研究する人、泳ぐ人、走る人、山に登る人、絵を描くだけの人、人を助ける人、人を殺める人…これも枚挙にいとまない。

 ふ〜〜〜〜。

 『fooga』5月号特集で紹介した芳賀一洋氏もかなりオモシロキ人だ。いったいどういう能力が授けられ、どういう拍子に自分の才能に気づいたのだろう。

 今、芳賀氏の個展が宇都宮市の「ギャラリー悠日」で開かれている。

 右の写真がそれ。精巧なミニチュアで時間を遡る芳賀氏の作品に、大谷石の蔵はとても良く似合っている。一つひとつを見れば、まぎれもなく入魂の作品にはちがいないのだが、こうやって全体を眺めると、さらに作品の力が増している。

 『fooga』を読んでいただければわかるが、芳賀氏はおよそ50歳の頃、ブティックのオーナーからこの世界に転じた。ルソーが税官吏から画家に転じたのもそれくらいの歳。意外にも、男の転機となる歳かもしれない(ちなみに高久も50歳)。

 それにしても、ここまで極めるとは、いかにモノづくりのDNAがセットされている日本人と言えど、驚きである。CFで使われた「ニコレットの居酒屋」など、入口の覗き窓から見ると、タイムスリップしたかのような錯覚に陥った。壁の節穴を通して隣の部屋を覗いているような、望遠鏡を通して、対岸にある居酒屋の様子を覗いているような……。

「フィクションをノンフィクションに見せなくてはいけない」

 芳賀氏の言葉だが、言うはやすし、行うは難し。べらぼうな衝撃である。

(090525 第100回)

 

 

Profile

高久多美男

高久 多美男

(撮影:森 日出夫)

●1959年生まれ

●1987年、広告の企画・制作を営む株式会社コンパス・ポイントを設立

●2009年、『Japanist』を編集・発行するジャパニスト株式会社を設立(2019年1月、刊行終了)

●「遊び、学び、仕事は皆同じ」がモットー。すべからく本質を求める

■本は永遠の師匠

19世紀フランス文学から20世紀アメリカ文学、さらには現代日本文学。歴史(特に日本近代史)、あらゆる生活・芸術分野から政治・経済の分野まで、本には強いな愛着を示す

■No Music, No Life

あらゆるクラシック音楽と1950年代以降のジャズ、R&B、60年代以降のロック、ワールドミュージックなど、とにかく雑食

■生涯、美を求めたい

桃山から江戸にかけての日本美術、岡倉天心一派以降の近代絵画を特に好む。ヨーロッパの近代絵画など、こちらも雑食

■敬愛する歴史上の人物

尊敬する人物は大久保利通。ほかに幕末から明治にかけて活躍した男たち。戦国武将では武田信玄、戦後の政治家では岸信介

■思索の遊び

禅、儒学、老荘思想、マキャヴェリズムを組み合わせながら、独自の思想を構築中

■いやなもの

共産主義や日教組などの極端な左翼思想(極端な右翼も嫌い)、地球市民幻想、新興宗教

■その他

日常的に走る他、毎年夏、山に登る。体型はずっと変わらず。便利なことよりも美しさに価値を見いだす

多樂塾

SPONSORED LINK

ココロバエ

Topics

記事一覧へ
Recommend Contents
このページのトップへ