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ビルの屋上の林

2017.06.27

 東京はコンクリートジャングルと言われるが、無計画に開発されてしまった地方都市よりずっと緑がある。私の行動エリアだけなのかもしれないが、〝神人共作〟と呼ぶ以外にないような巨木があちこちにある。

 先日、GINZA SIXの屋上へ行って驚いた。なんと公園になっているのだ。さまざまな樹木が植えられ、ベンチが配置されている。多くの人が寛いでいた。
 おそらくクレーンを使って屋上まで上げたのだろうが、本来、商業ビルになくても誰も文句を言わないことに巨額の費用と大きな労力を割くところがいい。平らなコンクリートに水が張ってあり、その上を子供たちが駆け回っている姿もあった。
 外周は通路になっていて、ベンチに腰かけて銀座の街並みを眺めることもできる(写真下)。カフェがあったらもっと素敵だと思う。
 私はモーパッサンのファンだが、彼はエッフェル塔が嫌いで、その姿を見なくても済むよう、毎日のようにエッフェル塔に上り、カフェやレストランに入り浸っていたという。ま、エッフェル塔が嫌いというのはポーズだったのだろう。あるいは「嫌も嫌よも好きのうち」だったかも。モーパッサンのような気分を味わうには、やはりカフェがほしい。しかも、とびきり旨いコーヒーを提供してくれるカフェが。
 10年も過ぎたら、この屋上の林も鬱蒼とするだろう。鳥も集まってくるにちがいない。
 人間が手を施せば施すほど、自然と逆行するというのはもはや定理だが、そのことをわきまえた上で緑を大切にしたいと殊勝なことを考える髙久であった。
(170627 第732回 写真はGINZA SIXの屋上)

Profile

高久多美男

高久 多美男

(撮影:森 日出夫)

●1959年生まれ

●1987年、広告の企画・制作を営む株式会社コンパス・ポイントを設立

●2009年、『Japanist』を編集・発行するジャパニスト株式会社を設立(2019年1月、刊行終了)

●「遊び、学び、仕事は皆同じ」がモットー。すべからく本質を求める

■本は永遠の師匠

19世紀フランス文学から20世紀アメリカ文学、さらには現代日本文学。歴史(特に日本近代史)、あらゆる生活・芸術分野から政治・経済の分野まで、本には強いな愛着を示す

■No Music, No Life

あらゆるクラシック音楽と1950年代以降のジャズ、R&B、60年代以降のロック、ワールドミュージックなど、とにかく雑食

■生涯、美を求めたい

桃山から江戸にかけての日本美術、岡倉天心一派以降の近代絵画を特に好む。ヨーロッパの近代絵画など、こちらも雑食

■敬愛する歴史上の人物

尊敬する人物は大久保利通。ほかに幕末から明治にかけて活躍した男たち。戦国武将では武田信玄、戦後の政治家では岸信介

■思索の遊び

禅、儒学、老荘思想、マキャヴェリズムを組み合わせながら、独自の思想を構築中

■いやなもの

共産主義や日教組などの極端な左翼思想(極端な右翼も嫌い)、地球市民幻想、新興宗教

■その他

日常的に走る他、毎年夏、山に登る。体型はずっと変わらず。便利なことよりも美しさに価値を見いだす

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