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ココロバエ
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醜い電柱・電線と無残な剪定になにも感じない人たちへ

2016.12.06

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 都内の電柱埋設工事を速やかに進めてほしいということ。彼女は以前より、景観や防災の観点から電柱の地下埋設を主張していたが、とても素晴らしい視点だと思う。
 日本人の多くは電柱や電線があるのは当たり前だと思っているようだが、欧米のほとんどの都市では電柱や電線を見ることはできない。見上げれば、美しい空が広がっている。
 かねがね思っていた。どうして日本ではこんなに電柱がむき出しなのかと。
 いつ、どのデータから引っ張ったか記録がないが、日本には3500万本以上の電柱があり、毎年7万本ずつ増えている。3500本ではなく3500万本である。人口割りにして、3.5人に1本の電柱を抱えていることになる。
 1986年、国は「電線類地中化計画」をスタートさせ、幹線道路を中心に地中化を進めてきた。ところが、計画を立ち上げた当時は3000万本ほどだった電柱が、500万本も増加している。国民の関心が低いから、こういう結果になっているのだ。
 では、海外ではどうか。ロンドン、パリでは戦前から無電柱化に取り組み、無電柱化率100%を実現している。ベルリンは90%、ニューヨークは83%達成している。日本より遅れていると思われがちなアジア諸国はどうだろうか。ソウルは80年代の17%から46%へ、北京は34%、マニラ(マカティ地区)40%、ジャカルタ(コタ駅周辺)35%、シンガポールは93%、香港は100%と、無電柱化が着々と進んでいるのだ。
 それに比べて、日本は東京23区で7%、大阪5%、世界的観光都市の京都でさえ2%という現実である。地方都市に至っては、数字にもならないだろう。これで「美しい日本」を標榜しようというのだから、無理難題にもほどがある。
 
 汚い風景を見てなんとも思わなくなった代償は、いろいろある。街路樹の異常な剪定や伐採などの野蛮な行為がまかり通っているのもそのためだ。
 私は日常的に新宿御苑を走っているが、前方から歩いてくる人を見ながら思う。いちばん姿勢が悪いのは日本人だと。横に振れたり、前屈みになったりと体幹がブラブラしている。それも遠因は汚い風景を見て、そう思わない鈍感な感性に発していると思っている。
 「日本人の感性と姿勢を美しくする計画」を遂行しようと思えば、具体的にどういう方法がいいのだろう?
(161206 第684回 写真は汚い電柱と電線、〝落ち葉対策〟と称されて無残にも紅葉する前に枝を切り落とされた街路樹)

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Profile

髙久多美男

髙久多美男

(撮影:森 日出夫)

●1959年生まれ

●1987年、広告の企画・制作を営む株式会社コンパス・ポイントを設立

●2009年、『Japanist』を編集・発行するジャパニスト株式会社を設立(2019年1月、刊行終了)

●「遊び、学び、仕事は皆同じ」がモットー。すべからく本質を求める

■本は永遠の師匠

19世紀フランス文学から20世紀アメリカ文学、さらには現代日本文学。歴史(特に日本近代史)、あらゆる生活・芸術分野から政治・経済の分野まで、本には強いな愛着を示す

■No Music, No Life

あらゆるクラシック音楽と1950年代以降のジャズ、R&B、60年代以降のロック、ワールドミュージックなど、とにかく雑食

■生涯、美を求めたい

桃山から江戸にかけての日本美術、岡倉天心一派以降の近代絵画を特に好む。ヨーロッパの近代絵画など、こちらも雑食

■敬愛する歴史上の人物

尊敬する人物は大久保利通。ほかに幕末から明治にかけて活躍した男たち。戦国武将では武田信玄、戦後の政治家では岸信介

■思索の遊び

禅、儒学、老荘思想、マキャヴェリズムを組み合わせながら、独自の思想を構築中

■いやなもの

共産主義や日教組などの極端な左翼思想(極端な右翼も嫌い)、地球市民幻想、新興宗教

■その他

日常的に走る他、毎年夏、山に登る。体型はずっと変わらず。便利なことよりも美しさに価値を見いだす

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