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美し人
ココロバエ

人間はロボットなのでしょうか?

2016.02.26

ラジオ体操新聞広告 ある日、新刊の新聞広告(右)を見て、あちゃ〜と思った。

 タイトルは『ラジオ体操は65歳以上には向かない』。「最後まで、自分の脚で歩くために!」というコピーがついている。
 食べ物、サプリメント、医療の分野にこのテの本が多いが、それだけ一般受けするということか。おそらく、それまでラジオ体操を続けていた人がこの本を読んで、やめてしまうケースも出てくるだろう。はっきり言って、愚の骨頂だ。
 私は朝、走る前にするストレッチ運動の最後にラジオ体操を取り入れているが、実によく考えられた運動だと感心している。
 人間はロボットではない。それなのに65歳で区切るというのは、短絡の極みである。
 70歳で元気な人もいれば、20代で早くも老化現象が進んでいる人もいる。どこへ行くにも車を使う人もいれば、80歳を過ぎてトライアスロンに出場している人もいる。痩せた人もいれば太った人もいる。運動が好きな人もいれば嫌いな人もいる。人はみんな、「それぞれ」なのだ。ある一定の目安にはなったとしても、「65歳以上」と断言するのは乱暴という以外ない。
 なぜ、あえてそうするのか。答えは「少しでも多く、本を売りたいから」だろう。売るためには、数字を使うのが手っ取り早い。
 人それぞれと書いたが、実は金属などの物にも同じことが言える。
 同じ自動車でも海岸近くの塩気が多いところ、内陸のからっ風が吹いているところ、雨が多いところ、雪がたくさん降るところで使ったものでは、劣化のスピードに著しい差が生じる。機械でさえそうなのだから、人間はあらためて言うに及ばず。

 

 どうしてわれわれは数字で区切ることをいつまでも信じているのだろう。
 例えば、血圧130以上は高血圧だという。しかし、そう単純に数字で区切っていいのだろうか。歳とともに血管の壁が固くなり、栄養を浸透させるために圧力を上げなければならないわけだから、年齢とともに少しずつ血圧が上がっていくのは自然の理にかなっている。それを血圧降下剤などで下げるとどういう弊害があるか、考えないのだろうか。栄養の分野もそうだ。よく、「一日に◯◯を◯◯グラム摂取する必要がある」という話を聞くが、太った人と痩せた人、南国で生まれた人と北国で生まれた人、陰性体質の人と陽性体質の人、肉体労働をしている人と無職の人が同じはずがない。にもかかわらず、したり顔で、「◯◯を一日◯◯グラム摂取しなさい」という。
 バカか?
 また、それをまともに受け取る人もいる。
 アホか?

 

 最近、糖質制限ダイエットを唱えている人が亡くなったらしい。死者にムチを打つ趣味はないが、自然に反していることを続けた代償だと思う。
 そもそも、太陽光とブドウ糖は人体にとって密接な関連性がある。私はその分野のプロではないが、必要なものと不要なものを混同する愚はおかしたくない。精製された砂糖や塩、酸化した油などは制限する必要があると思うが、糖質すべてを制限すること自体、反自然行為だということくらいはわかる。
 これからも人をダマして金儲けを企む人はいなくならない。だから、自分なりに調べ、自分で自分の身を守る以外にない。
(160226 第618回)

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Profile

髙久多美男

髙久多美男

(撮影:森 日出夫)

●1959年生まれ

●1987年、広告の企画・制作を営む株式会社コンパス・ポイントを設立

●2009年、『Japanist』を編集・発行するジャパニスト株式会社を設立(2019年1月、刊行終了)

●「遊び、学び、仕事は皆同じ」がモットー。すべからく本質を求める

■本は永遠の師匠

19世紀フランス文学から20世紀アメリカ文学、さらには現代日本文学。歴史(特に日本近代史)、あらゆる生活・芸術分野から政治・経済の分野まで、本には強いな愛着を示す

■No Music, No Life

あらゆるクラシック音楽と1950年代以降のジャズ、R&B、60年代以降のロック、ワールドミュージックなど、とにかく雑食

■生涯、美を求めたい

桃山から江戸にかけての日本美術、岡倉天心一派以降の近代絵画を特に好む。ヨーロッパの近代絵画など、こちらも雑食

■敬愛する歴史上の人物

尊敬する人物は大久保利通。ほかに幕末から明治にかけて活躍した男たち。戦国武将では武田信玄、戦後の政治家では岸信介

■思索の遊び

禅、儒学、老荘思想、マキャヴェリズムを組み合わせながら、独自の思想を構築中

■いやなもの

共産主義や日教組などの極端な左翼思想(極端な右翼も嫌い)、地球市民幻想、新興宗教

■その他

日常的に走る他、毎年夏、山に登る。体型はずっと変わらず。便利なことよりも美しさに価値を見いだす

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