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さようなら、カマキン

2016.01.29

カマキン 甘利明経済再生相が閣僚を辞任した。

 なんとも後味の悪い顛末だ。秘書の監督責任は免れないとしても、はたして辞任するほどのものだろうか。
 今回の「ワナ」を仕掛けた人物は、安倍政権に打撃を与えたいグループかTPP反対派の差し金に違いないが、そいつの思い通りになったということだろう。最初からハメてやろうという魂胆がみえみえだし、週刊誌の記者まで用意している。
 はたしてこういうことがまかり通っていいのだろうか。国家・国民のために身を賭して仕事をしようと思う政治家はますます減るにちがいない。近年、甘利氏ほど粉骨砕身、仕事に取り組んできた閣僚はいない。その代償がどれほど大きいか、わかっていないのだろう。まさに衆愚の政治というほかない。

長蛇の列

 鎌倉へ行ったついでに、カマキンを訪れた。「カマキン」とは、神奈川県立近代美術館鎌倉館のこと。今月で閉館すると知り、一度は行ってみなければと思ったのである。
 同館は建築家・坂倉準三氏が設計し、1951年に国内初の公立近代美術館として開館した。私がこの世に生まれる8年前に生まれたわけだ。直線で構成されたモダニズム建築が特徴だが、坂倉氏はル・コルビジェに師事している。建物の前に広がる池との調和がじつに美しい。
 別れを惜しんでか、予想外に多くの人が訪れていた。入場券を買い求める人の列が長々とできたほどだ。やはり、人はもう見られなくなると思うと見てみたいと思うものだ(私もそう)。
 最後の展覧会は「鎌倉からはじまった。1951〜2015」。収蔵品の選りすぐりを展示している。正直、展示作品で「目玉」はない。しかし、最大の「目玉」は65年間も本物の近代美術を紹介してきたという歴史と美しい建築物が醸す「空気」ではないだろうか。こればかりは一朝一夕でつくれるものではない。
 建物はかなり老朽化しているが、保存したまま土地を所有する鶴岡八幡宮に引き継がれるという。
 おつかれさま、カマキン。
(160129 第611回 写真上はカマキン全景、下は入場券を求める長蛇の列)

Profile

高久多美男

高久 多美男

(撮影:森 日出夫)

●1959年生まれ

●1987年、広告の企画・制作を営む株式会社コンパス・ポイントを設立

●2009年、『Japanist』を編集・発行するジャパニスト株式会社を設立(2019年1月、刊行終了)

●「遊び、学び、仕事は皆同じ」がモットー。すべからく本質を求める

■本は永遠の師匠

19世紀フランス文学から20世紀アメリカ文学、さらには現代日本文学。歴史(特に日本近代史)、あらゆる生活・芸術分野から政治・経済の分野まで、本には強いな愛着を示す

■No Music, No Life

あらゆるクラシック音楽と1950年代以降のジャズ、R&B、60年代以降のロック、ワールドミュージックなど、とにかく雑食

■生涯、美を求めたい

桃山から江戸にかけての日本美術、岡倉天心一派以降の近代絵画を特に好む。ヨーロッパの近代絵画など、こちらも雑食

■敬愛する歴史上の人物

尊敬する人物は大久保利通。ほかに幕末から明治にかけて活躍した男たち。戦国武将では武田信玄、戦後の政治家では岸信介

■思索の遊び

禅、儒学、老荘思想、マキャヴェリズムを組み合わせながら、独自の思想を構築中

■いやなもの

共産主義や日教組などの極端な左翼思想(極端な右翼も嫌い)、地球市民幻想、新興宗教

■その他

日常的に走る他、毎年夏、山に登る。体型はずっと変わらず。便利なことよりも美しさに価値を見いだす

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