美しい風景、キタナイ映像
ふと、梅雨入りする前に高尾山に登ろうと思った。週末でひどく混んでいるだろうが、天気もよさそうだ。
新宿から高尾山口駅まで京王線で1時間弱。こんな近くに高尾山がある幸せをかみしめる。ありがたやありがたや。
高尾山を登るコースはいくつかあるが、たいがい私が選ぶのは正式のコースではない。地図には「悪路に注意」と書かれている細い山道である。同じ高さを登るにも、アスファルトの道と土の道では疲れがまるでちがう。なぜだろう? 地球のエネルギーをじかに受けられるからだろうか。
中腹の店でいつもの三福団子を買おうとしたが、暑かったからか、ついソフトクリームを選んでしまった。しかしすぐに後悔。遥か遠くに広がる都心を眺めながら食べる三福団子は格別だ。
予想を超え、頂上は人だらけだった。下山してからいつもの「極楽湯」に入ろうとしたが、ロッカーはほぼ使用されている。これでは芋洗い状態になることは必定。あきらめも肝心。家に帰って風呂を浴び、呑むことにした。
下界に戻るや、なんとも滑稽なニュースにふれた。トランプ大統領とイーロン・マスク氏の仲違いが決定的になったというニュースである。わずか数ヶ月前、二人は蜜月ぶりを世界中にアピールしていたが、いまや互いに相手をののしり合っている。まさに論語の「同じて和せず」そのもの。人間劇場を見る思いである。本ブログで「壮大な社会実験」と題し、トランプの専横がどんな結果を引き出すのか、社会実験のようだと書いたが、早々に結果が出始めている。
マスク氏は自分のおかげでトランプ氏が当選したと主張するが、それが事実とすれば罪は重い。世界中に争いの種をばらまく人物にとてつもない権力を与えてしまったのだから。しかも、個々人の仕事ぶりを精査せずに連邦職員を20万人近くも解雇した。その代償は少なくない。テスラ社の株価は暴落し、時価総額は一日で約22兆円減少、マスク氏本人の資産も約5兆円減少したと報じられている。そもそもそんなに多くの資産を有していること自体、社会が病んでいる証拠。そりゃ、傲慢にもなるわい。
今後、トランプはもっと大きな代償を払うことになるだろう。参政党は「トランプ流をめざす」と公言しているが、正気の沙汰とは思えない。
トランプの出現をもっとも喜んでいるのは中国とロシアだろう。
頂上の様子
薬王院の奥院
眼下を望む
失敗の図。やはり三福団子だ
トランプ氏はこのテスラ車を売却するという。滑稽だ
(250608 第1274回)
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