多樂スパイス

言葉の贈り物

2012.09.02

 「最近、海ちゃんが登場していませんね。我が家では娘たちも海ちゃんのファンなんですよ」と、嬉しい(?)リクエストをもらった。聞きながら、顔がにやけていたと思う。

 海を登場させるときの理由を明かそう。ちょっと言いにくいこと、どうしても過激な発言をしたいというときに、“ そうだ、猫に言わせてしまおう”、ということなのだ(そんなこと、とうにお見通しだよ、という声が聞こえてきそうだが)。

 しかし、今回はちがう。“それほどまでに海の登場を望んでいただけるのであれば、出し惜しみせず、お見せしましょう” という親切心からなのである。

 

 さておき、前々回、増田明美さんのことについて書いたが、その人生相談で増田さんはどのような回答をされたのですかという質問もあったので、今回はそれをテーマにしてみたい。

 質問の主は、高校3年生の女子。一緒にアルバイトで働いていた仲間たちが自分をはずしてボウリングに行ったことで疎外感を感じ、「できるだけ多くの友人が欲しい」と思って周りに合わせてふざけてみることもあるという。でも、そんな自分の性格や容姿が嫌いになることもある、と。

 そして、最後にこう結んでいる。「これから先、どのように人と接するべきですか。何が大切で、何を見つめ直すべきですか」。蛇足ながら、このような疑問をもったこと自体、この子はとても優秀だと思う。

 この質問に対して、増田さんが書かれた回答を全文、紹介したい。

 

 あなたは自分の世代を客観的に分析していますね。論理的な相談文を読みながら、「つながる」の意味について考えさせられました。今は携帯電話やパソコンのお陰で、誰とでも簡単につながることが出来ます。しかし、つながっていないと不安になるのは、孤独も楽しめる “個” の力が弱まっているからなのでしょうね。

 メールをやり取りし、たまに遊ぶ何気ない友人をたくさん持つよりも、「確かなつながり」を感じられる友を持つほうが大事です。悲しみや喜びを自分のことのように分かち合える親友を。そのためには群れないことです。ボウリングへ誘われなかったのは、あなたの中に既に群れない素養があるからではないでしょうか。他のアルバイト仲間はそれを感じ取っていたのかもしれませんね。

 孤独を怖がってはいけません。怖がらないためには自分に自信を持つことが大切です。今のうちから本をたくさん読みましょう。心が骨太になりますよ。また、目の前のことに一生懸命打ち込んでください。自分という軸をしっかり持ったあなたが親友を引き寄せます。

(120902 第364回 写真は世界的名猫・海)

Profile

高久多美男

高久 多美男

(撮影:森 日出夫)

●1959年生まれ

●1987年、広告の企画・制作を営む株式会社コンパス・ポイントを設立

●2009年、『Japanist』を編集・発行するジャパニスト株式会社を設立(2019年1月、刊行終了)

●「遊び、学び、仕事は皆同じ」がモットー。すべからく本質を求める

■本は永遠の師匠

19世紀フランス文学から20世紀アメリカ文学、さらには現代日本文学。歴史(特に日本近代史)、あらゆる生活・芸術分野から政治・経済の分野まで、本には強いな愛着を示す

■No Music, No Life

あらゆるクラシック音楽と1950年代以降のジャズ、R&B、60年代以降のロック、ワールドミュージックなど、とにかく雑食

■生涯、美を求めたい

桃山から江戸にかけての日本美術、岡倉天心一派以降の近代絵画を特に好む。ヨーロッパの近代絵画など、こちらも雑食

■敬愛する歴史上の人物

尊敬する人物は大久保利通。ほかに幕末から明治にかけて活躍した男たち。戦国武将では武田信玄、戦後の政治家では岸信介

■思索の遊び

禅、儒学、老荘思想、マキャヴェリズムを組み合わせながら、独自の思想を構築中

■いやなもの

共産主義や日教組などの極端な左翼思想(極端な右翼も嫌い)、地球市民幻想、新興宗教

■その他

日常的に走る他、毎年夏、山に登る。体型はずっと変わらず。便利なことよりも美しさに価値を見いだす

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