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史上最強のレンタカー事務所

2011.09.16

 さて、右の写真は何でしょう?

 答えは石垣島で利用したレンタカーの事務所。

 どお? かっこいいだろう。なにしろ建物はよくある簡易倉庫。窓には筵が垂れている。入り口の踏み台はブロックが4枚。看板は入り口ドアにあるだけで、道路にはいっさいない。代表電話はなく、携帯電話のみ。この建物の前に数台のクルマがおもむろに置いてあるのだが、この「ユルユル具合」がじつにいいなあと思ってしまった。

 前回、中山・石垣市長の取材の際にお願いした北島さんという南国風イケメンカメラマンとランチを食べたと書いたが、その後、ここに送ってもらったからたどり着いたものの、もし、自分で捜していたら日がとっぷり暮れていたかも。なぜなら、このレンタカーは幹線道路から少し奥まったところにあり、前述のように看板の類はいっさいないのだ。もしかすると、京都風の「一見さんお断り」の類かと思うほど、見つけられるのを避けているようだった。

 入り口をノックし、おそるおそる入っていくと、頭に手ぬぐいを巻いたオジサンがいた。

 案に相違して、手続きはまったく普通のレンタカー会社と同じだった。最後に「お支払いは現金になさいますか、クレジットカードになさいますか」と訊かれたときは再び驚いた。

 ク、クレジットカードが使えるのか! そんな文明の利器があるのか!

 しかし、手数料を負担させるのは気が引けて、現金で支払った。スズキのスイフトが6時間で4500円。安いのか高いのかはわからない。

 さて、スイフトを駆って、島一周をもくろんだ。ちなみに、スイフトはおそろしいほど無個性だった。あるドイツ人カージャーナリストが「日本車の特徴は、特徴がないことだ」と揶揄していたが、さもありなんである。会社で使っているトヨタのパッソもおそろしいほど無個性である。クルマの運転が好きな私にとって、無個性なクルマは犯罪に近い。

 それはそれとして、炎天下の下、スイフトはバンナ展望台へ上がった後、名蔵湾に出、そのまま海沿いを北上し、あの有名な川平湾へ。

 じつに美しい砂浜だった。白い砂と遠浅の透き通った海。これだけでハッピーになれそうだ。

 その後、海岸沿いにひた走り、最北端の平久保崎へ。崖の端から海と青空を見ていたら、パラグライダーをやっている光景が目に飛び込んできた。そういえば、ある時期、小型飛行機が欲しいと思ったことがあった。もちろん、それは叶わず終いだったが、今でも空を自由に飛べたらいいなと思っている。

 翌日の朝、南国風イケメンカメラマンの助言に従って、フェリーで竹富島へ渡った。その小さな島は、まさに東南アジアの風情だった。ここが日本か? と何度も思った。

 水牛車でゆったり島内を観光するオプションがあったが、水牛には近寄りたくなかった。なぜなら師・田口佳史先生の体をメッタ刺しにしたカタキではないか。しかし、見たところ私に向かって来る様子はなかった。

 やはり私は天命を受けていないのだろう。

(110916 第281回 写真は美らレンタカーの事務所)

 

 

 

 

Profile

高久多美男

高久 多美男

(撮影:森 日出夫)

●1959年生まれ

●1987年、広告の企画・制作を営む株式会社コンパス・ポイントを設立

●2009年、『Japanist』を編集・発行するジャパニスト株式会社を設立(2019年1月、刊行終了)

●「遊び、学び、仕事は皆同じ」がモットー。すべからく本質を求める

■本は永遠の師匠

19世紀フランス文学から20世紀アメリカ文学、さらには現代日本文学。歴史(特に日本近代史)、あらゆる生活・芸術分野から政治・経済の分野まで、本には強いな愛着を示す

■No Music, No Life

あらゆるクラシック音楽と1950年代以降のジャズ、R&B、60年代以降のロック、ワールドミュージックなど、とにかく雑食

■生涯、美を求めたい

桃山から江戸にかけての日本美術、岡倉天心一派以降の近代絵画を特に好む。ヨーロッパの近代絵画など、こちらも雑食

■敬愛する歴史上の人物

尊敬する人物は大久保利通。ほかに幕末から明治にかけて活躍した男たち。戦国武将では武田信玄、戦後の政治家では岸信介

■思索の遊び

禅、儒学、老荘思想、マキャヴェリズムを組み合わせながら、独自の思想を構築中

■いやなもの

共産主義や日教組などの極端な左翼思想(極端な右翼も嫌い)、地球市民幻想、新興宗教

■その他

日常的に走る他、毎年夏、山に登る。体型はずっと変わらず。便利なことよりも美しさに価値を見いだす

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