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紺碧の将

感性のアンテナを研ぎ澄ます散歩

2021.12.06

 宇都宮に住んでいた頃は、あまり歩かなかった。自宅の玄関を出て数歩で車に乗り込み、会社に着いて数歩で玄関に入ることができた。地方在住者の多くがそうであるように、数百メートル先へ行くにも車を使うことがあった。

 ところが、いまは歩く。歩くことがまったく苦ではなくなった。というか、歩くことが好きになった。そもそも車を持っていない。新宿御苑を庭がわりに使うようになって10年以上過ぎるが、散歩はいろいろな面でメリットをもたらしてくれる。

 まず第一に、気持ちが晴れる。四季の移ろいを感じ、新鮮な空気を吸いながら早歩きをする。それだけで心身が浄化される。

 次いで、下半身が強化される。言うまでもなく、低体温にならないことが健康の秘訣のひとつだが、そのために筋肉(特に下半身の)を鍛えることは不可欠だ。血流を促すポンプ役は心臓だけでは足りず、どうしても筋肉の力を借りなければならない。

 さらに、一定のリズムで歩いていると、さまざまなアイデアが湧いてくる。体が動いているからか、体温が上がるからか、悲観的なことはほとんど去来しない。こうしよう、あんなこともできるかな、と楽しげな思いが自在に脳内を駆け巡るのだ。そうやって得た着想に、今までどれほど助けられたことか。

 近年、芭蕉や山頭火などの〝歩く俳人〟に魅了されている。『森の生活』を書いたソローのレベルまでいくと、「それはちょっと……」と思うが、歩きながら多くの傑作を遺した芭蕉や山頭火には惹かれる。

 そういえば、このところ、新宿御苑で野鳥観察のグループに出くわす。野鳥がたくさんやって来る季節なのだろうか。大きなラクウショウの近辺に200人くらい集まっていることがある。みんな年配者だ。女性も多い。一様に、ひと目で高級機材とわかるカメラや双眼鏡を持っている。時間もお金もあるのだろう。年配の人たちがどんどん外に出て、消費の牽引役をするのはいいことだ。

 

母と子の森の散歩道。この季節は、落ち葉を踏む音や匂いがとてもいい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラクウショウの周りに敷設された木道

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

燃えるような、タムケヤマモミジの葉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

水のキャンヴァスに自然が描いた一幅の絵

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

若い芽と落ち葉。このあとどうなるのだろう?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

温室前から西新宿を望む

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少しずつ色を失っていく季節にあって、山茶花の赤は鮮やかだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

清楚な日本水仙

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(211206 第1105回)

 

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