The child is father of the man.
直訳すれば「子供は大人の父である」となる。イギリスの詩人、ウィリアム・ワーズワースの詩『虹』の一文だが、西洋では諺のように使われている。別訳に「子供は大人の源泉だ」とあり、そっちの方が意味が伝わりやすいかもしれない。
「father」というところがイギリスらしい。日本であれば「mother」か、あるいは自然神や仏、菩薩などとなるだろうか。この場合は、男性であるワーズワースが虹を見たときの感懐を詩にしたのだから「father」の方がいい。
大人になった自分を形づくっているのは、まぎれもなく子供のころの体験や感覚だということだろう。無邪気な子供から学ぶことが多いとも捉えられる。ワーズワースは、前者の捉え方だ。『虹』の全文を紹介しよう。
My heart leaps up when I behold 私の心は踊る
My heart leaps up when I behold 私の心は踊る
A rainbow in the sky: 大空に虹がかかるのを見たときに。
So was it when my life began; 幼い頃もそうだった。
So is it now I am a man; 大人になった今もそのなのだ。
So be it when I shall grow old, 年老いたときもそうでありたい。
Or let me die! そうでなければ生きている意味がない (われを死なしめよ)!
The Child is father of the Man; 子供は大人の父なのだ。
And I could wish my days to be 願わくば、私のこれからの日々が、
Bound each to each by natural piety. 自然への畏怖の念で貫かれんことを。
この詩のように、いつまでも瑞々しい子供の心を忘れたくはないものだ。
(第152回 261006)
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