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紺碧の将

至福の読書

2025.12.31

 このところ以前に増して、なにをしても愉しい。仕事、運動、書、読書、音楽、美術館巡り、旅、飲食、登山、散歩、映画、テレビ……。とりわけ読書の歓びは日を追うごとに増している感がある。

 通常、5〜7冊並行して読んでいる。日本の小説、海外文学、歴史小説、詩歌、芸術論、ノンフィクションなどといったジャンルの本を少しずつ読み進め、興が乗ったら一気呵成に読み終える。

 先日から日本の小説の部は、知人からいただいた新聞連載切り抜きの『麗しき花実』(乙川優三郎)を再読しているのだが、これが面白い。なにがいいって、中一弥の挿絵が素晴らしい。この小説の清澄さ・ひたむきな女性の生き方を見事に表している。

 こんな贈り物はめったにあるものではない。全部で201回分、よくぞ毎日切り抜き、保存したものだと感心しきり。

 この作品は江戸時代、酒井抱一や原羊遊斎、鈴木其一らが生きた時代を舞台に、出雲から江戸に出て蒔絵師として修業する理野という女性が主人公だが、この前に読んだ芝木好子の『光琳の櫛』と相まって、漆芸の奥深さに魅了されている。

 

 今回の年末年始は、久しぶりに緊張感のある日々を過ごしている。雑誌を発行していた頃は、1月号の最終まとめのため、てんやわんやの正月だったが、今回もそんな感じ。しかし、それがまた心地いい。

 今年も充実の1年だったが、来年もより自分らしく生きたい。

(251231 第1303回 写真:手前は乙川優三郎の『麗しき花実』、向こうは髙樹のぶ子の『業平』)

 

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https://www.compass-point.jp/book/konpeki.html

 

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