A friend to everybody is a friend to nobody.
ことわざ
じつに西洋的な格言であるが、真理であることはまちがいない。「みんなと良くしようとすると、誰とも仲良くなれない」。波風立てないことを旨とする八方美人タイプが多い日本人には耳の痛い言葉である。
みんなと仲良くしようとする人が、結局誰からの信頼を得られないのはなぜか。「人はそれぞれ違って当たり前」という認識が欠如しているからではないか。あるいは、人と真剣に向き合っていないからともいえる。
人と人は違って当たり前。それを前提として対話をし、互いの相違を埋めていく。その過程にこそ、信頼関係の芽があるのだと思う。
もちろん、バランスは大切。人とぶつかるばかりでは、孤立への道を進むことになる(孤立と孤独は異なる)。そのあたりの間合いの取り方が、その人の人間力につながっていくのだと思う。
(第144回 251104)
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