An old young man will be a young old man.
ベンジャミン・フランクリン
なんて美しく、人間の本質を見通した言葉だろう。こういう言葉に出会うと、ワクワクし体も喜ぶ。
文字通り訳せば「老いた若者は、若い老人になる」。老いた若者とは、貪欲に学び、さまざまな体験を重ねている若者という意味であろう。つまり軽薄な、チャラチャラした当今の若者と対極をなす。
ごく稀に「老いた若者」に出会うことがあるが、彼らはおしなべて落ち着いていて、一見すると年齢よりはるかに歳上だと感じる。しかし、そういう人はずっと学び続けるから、年老いても若さを保つと言っているのだ。
世相を見渡せば、わかる。表面的には若そうに見えても、底の浅い若さだと感じる人が多い。アンチエイジングなどとけったいな言葉が跋扈し、表面的な若さだけを追い求めるから、歳とともにメッキが剥がれていくのだろう。
とはいえ、軽薄であることも若者の特権だ。要はどうバランスをとりながら内面的な若さを積み重ねていくか、ではないだろうか。
(第139回 250505)
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