Mankind must put an end to war, or war will put an end to mankind.
ジョン・F・ケネディ
いまほどこの言葉が心に突き刺さる時はない。ロシアによるウクライナ侵略、ガザ紛争、そして遠からず起こり得る中国の台湾侵攻のほか、北朝鮮の暴発も懸念される。人類史が始まって以来、この惑星が丸ごと平和だった時代は皆無だが、一時代前と異なるのは、本気で戦争をしたら人類破滅にまでエスカレートしかねないということ。国家間の争いに、国連がまったく無力であることも露呈してしまった。
表掲の言葉は、「人類は戦争に終止符を打たなければ、戦争が人類に終止符を打つことになる」。
ケネディはキューバ危機という、核戦争一歩手前の極限状態を体験しているがゆえ、この言葉が自ずと出てきたのだ。
ケネディの危惧とは裏腹に、専制政治国家はより増長し、民主主義国家は極右化が進んでいる。話し合いによる解決とは遠ざかるばかりだ。
人類はどこまで行くのか。予測さえできない。
(第129回 240702)
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