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紺碧の将

流行嫌いが清正の井戸へ

2011.05.03

 広告会社の経営を24年以上もやっているのに、人為的に作られたブームが嫌いだ。

 「そういうことで、よく広告会社をやってこられましたね」と驚かれることがあるが、じつは自分の方が驚いている。

 そもそも、子どもの頃から人と同じことをするのがイヤだった。今でも流行の服を着るのは恥ずかしいことだと思っている。

 というか、誤解をおぞれずに言ってしまえば、そういうことを恥じらいもなくできる人は極端なお人好しだと思っている。自分で自分に合った服装を考えられない人だとも思っている(その人に合っているのであれば、流行の服といえど悪いとは思わないけど)。

 私はどちらかといえば着るものに頓着する方だが、店員がつかつかと寄ってきて、「今年はこれが流行ですよ」などと言ったとたん、その商品は選択肢からはずすような人間だ。とにかく、人気商品、人気店、人気タレント、流行り言葉というようなものが苦手なのである。

 なぜ、そうなのか、一度自分なりに分析したことがあったが、結局理由はわからずじまいだった。自分の奥底にいる自分が、そういうことを嫌っているとしか言いようがない。

 そこであらためて思った。そのことによって、失ったものはあっただろうかと。

 ない。まったくない。つまり、人と同じことをしなければいけないと思い込んでいるのは、一種の脅迫観念なのだと思う。

 そんな私であるが、あろうことか、明治神宮御苑の噂のパワースポット “清正の井戸” へ行ってしまった。

 恥ずかしい! これを恥ずかしいと言わずして、なんといおうか。

 おそらく、あのブームも誰かが仕掛けたものだろう。でなければ、あんなに猫も杓子もこぞって見に行くはずがない。

 伝えによれば、加藤清正が掘った井戸だという。以来、一度も枯れたことがないのだという。だから、パワースポットなのだという。

 そういう思いで清らかな井戸を見れば、たしかに何かを感じるような気配がした。まあ、真実のほどはわからないが、そういうことにしておこう。

 それはともかく、明治神宮御苑には不思議な木がいっぱいある。実際になんらかの力が集まっている場所なのかもしれない。

 次回から2回に分けて、不思議な木を紹介したい。

(110503 第248回 写真は明治神宮御苑の清正井戸)

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