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紺碧の将

桜、サクラ、さくら

2017.03.29

 いよいよ春到来。

 春在一枝中(春は一枝中にあり)。いまかいまかと気配を窺っている植物たちは、わずかに感じ取れる春の兆しに反応する。その感知能力はみごとなものである。便利になり過ぎて、鈍感になってしまったわれわれ人間には及びもつかない能力である。
 4月という月は、私にとって重要な月だ。この世に誕生したのは58年前の4月であり、事業を興したのは30年前の4月である。家族をはじめ関わりの深い人も4月生まれが多い。愛猫・海(うーにゃん)が生まれたのも18年前の4月だ(おそらく)。愛車がやってきたのは10年前の4月、『Japanist』を創刊したのは8年前の4月だった。
 とくだん意図したものではない。偶然、節目が4月になっているのだ。おそらく私の中にある野性が無意識のうちに求めた結果なのだと思う。
 今年は開花宣言が出された後、寒い日が続き、満開にはほど遠い。それだけに「4月に満開」という、私が願っている状態になりそうでワクワクしている。

 

 桜といえば、西行だ。

 

ながむとて花にもいたく馴れぬれば 散る別れこそ悲しかりけれ

 

春風の花を散らすとみる夢は さめても胸の騒ぐなりけれ

 

願はくは花のしたにて春死なん そのきさらぎのもちづきのころ

 

 望んだ通り、西行は釈尊涅槃の日(陰暦の2月16日)に入寂した。
(170329 第710回 写真上は新宿御苑の桜の幹に生えた新芽。下は東京ガーデンテラス紀尾井町の桜。開花はもうすぐ)

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