多樂スパイス
HOME > Chinoma > ブログ【多樂スパイス】 > 湯殿山で神に会った

湯殿山で神に会った

2016.09.27

%e6%b9%af%e6%ae%bf%e5%b1%b1%e5%a4%a7%e9%b3%a5%e5%b1%85 今から約1400年前、第32代祟竣天皇の御代に開かれた出羽三山は、信仰の山として知られている。

 私は昨年、羽黒山に、今月上旬、月山に登った。そして先日、湯殿山に行ってきた。
 あまり知らないままに行ったのだが、地元の人に湯殿山までの登山ルートを訊いても「?」と首を傾げるだけで、要領を得ない返事ばかりだ。実際に行ってわかった。湯殿山の頂上に至る道はないのだ。
 大鳥居のところまで車で行き、そこから30分ほど歩くと、湯殿山神社本宮がある。裸足になってお祓いをしてもらい、奥へ進むと、なんとご神体があった。「語るなかれ」「聞くなかれ」と言われているそうだが、ある書物には「ご神体は湯の出る茶褐色の巨大な岩」とあるので、その程度は書いても問題ないのだろう。
 通常、ご神体は隠されているものだが、このご神体は堂々と巨大な姿をさらしている。しかも、頭からお湯と湯気を噴き出している。鉄分を含んでいるのか岩肌は茶褐色で、象の皺のように細かい筋が幾重にも刻まれている。この姿を見た昔の人が、神だと信じたのも無理はない。
%e6%b9%af%e6%ae%bf%e5%b1%b1%e7%a5%9e%e7%a4%be%e5%be%a1%e6%9c%b1%e5%8d%b0 しかも驚くべきことに、参拝者は裸足でご神体を上り、参拝して下りてくるという習いになっている。お湯(温泉)と岩肌が足の裏を刺激して、なんともいえない心地よさだった。
 あたり一帯は神域であるため、撮影は一切禁止。残念ながら、その玄妙な姿を紹介することはできない。
 ただし、この御朱印を見てほしい。通常の2倍の大きさだ。ご神体と同様、スケールが大きい。
 登山ルートがないと書いたが、本宮から月山まで片道約4時間の道があるようだ。ただし、そもそも修験道であり、ほとんど人も歩かないことから荒れた印象がある。途中、月光坂には直角に近い傾斜の鉄梯子が何カ所かあるらしい。「熊に注意」という札もあり、挑戦する気にはなれなかった。
 羽黒山五重塔がある羽黒山、大らかで見晴らしのいい月山、そして霊験な湯殿山。長きにわたって多くの人を魅了している理由がわかった。
(160927 第667回 写真上は湯殿山の大鳥居。下は湯殿山神社の御朱印)

Profile

高久多美男

高久 多美男

(撮影:森 日出夫)

●1959年生まれ

●1987年、広告の企画・制作を営む株式会社コンパス・ポイントを設立

●2009年、『Japanist』を編集・発行するジャパニスト株式会社を設立(2019年1月、刊行終了)

●「遊び、学び、仕事は皆同じ」がモットー。すべからく本質を求める

■本は永遠の師匠

19世紀フランス文学から20世紀アメリカ文学、さらには現代日本文学。歴史(特に日本近代史)、あらゆる生活・芸術分野から政治・経済の分野まで、本には強いな愛着を示す

■No Music, No Life

あらゆるクラシック音楽と1950年代以降のジャズ、R&B、60年代以降のロック、ワールドミュージックなど、とにかく雑食

■生涯、美を求めたい

桃山から江戸にかけての日本美術、岡倉天心一派以降の近代絵画を特に好む。ヨーロッパの近代絵画など、こちらも雑食

■敬愛する歴史上の人物

尊敬する人物は大久保利通。ほかに幕末から明治にかけて活躍した男たち。戦国武将では武田信玄、戦後の政治家では岸信介

■思索の遊び

禅、儒学、老荘思想、マキャヴェリズムを組み合わせながら、独自の思想を構築中

■いやなもの

共産主義や日教組などの極端な左翼思想(極端な右翼も嫌い)、地球市民幻想、新興宗教

■その他

日常的に走る他、毎年夏、山に登る。体型はずっと変わらず。便利なことよりも美しさに価値を見いだす

多樂塾

SPONSORED LINK

ココロバエ

Topics

記事一覧へ
Recommend Contents
このページのトップへ