多樂スパイス

花の乱舞

2016.04.07

ハクモクレン満開 つぎつぎと花が春の到来を告げている。

 この季節の主役は、もちろん桜だ。あのごつごつした幹と艶やかな花のアンバランスが絶妙だ。
 相変わらず新宿御苑を2日に1回走っているが、桜が散るのは紙吹雪が舞っているかのよう。幻想的だ。体の芯から、いや心の奥から歓びの渦が湧き上がってくる。
 千鳥ヶ淵のような晴れ舞台もいいが、名もない山の中腹に咲く山桜もいい。いつもは黙っているのに、この季節だけ、「ほら、ここにいるよ」と教えてくれる。
 桜よりひとあし早く咲くハクモクレンも素敵だ。楚々としているのに存在感がある。青空を背景に白い花が咲き乱れているのを見ると、だれかがつくった巧妙な映像ではないかとさえ思う。
枝垂れ桜の滝 川沿いの土手などに咲く菜の花もいい。黄色い絨毯が敷かれたようで、見ているだけで心が浮き立ってくる。黄色はそういう効果があるのだろう。以前乗っていたクーペ・フィアットという車は、運転席の前に幅10センチほどの黄色いラインが走っていて、乗り込むたびに心が弾んだものだ。
 忘れてはいけないのは、だれも歩かないような薄暗い道にひっそりと咲く赤い椿だ。ふと目が合うと、ドキドキする。妖艶なのだ。昔から椿ファンは多いが、風通しのいいところより、空気がもったりとしているところの方が合うと思う。
 ボケ、シャガ、ハナニラ……。あげていけば、きりがない。
 当分の間、創造主からの恩賜に目が離せない。
(160407 第628回 写真上はハクモクレン、下はしだれ桜。いずれも新宿御苑) 

Profile

高久多美男

高久 多美男

(撮影:森 日出夫)

●1959年生まれ

●1987年、広告の企画・制作を営む株式会社コンパス・ポイントを設立

●2009年、『Japanist』を編集・発行するジャパニスト株式会社を設立(2019年1月、刊行終了)

●「遊び、学び、仕事は皆同じ」がモットー。すべからく本質を求める

■本は永遠の師匠

19世紀フランス文学から20世紀アメリカ文学、さらには現代日本文学。歴史(特に日本近代史)、あらゆる生活・芸術分野から政治・経済の分野まで、本には強いな愛着を示す

■No Music, No Life

あらゆるクラシック音楽と1950年代以降のジャズ、R&B、60年代以降のロック、ワールドミュージックなど、とにかく雑食

■生涯、美を求めたい

桃山から江戸にかけての日本美術、岡倉天心一派以降の近代絵画を特に好む。ヨーロッパの近代絵画など、こちらも雑食

■敬愛する歴史上の人物

尊敬する人物は大久保利通。ほかに幕末から明治にかけて活躍した男たち。戦国武将では武田信玄、戦後の政治家では岸信介

■思索の遊び

禅、儒学、老荘思想、マキャヴェリズムを組み合わせながら、独自の思想を構築中

■いやなもの

共産主義や日教組などの極端な左翼思想(極端な右翼も嫌い)、地球市民幻想、新興宗教

■その他

日常的に走る他、毎年夏、山に登る。体型はずっと変わらず。便利なことよりも美しさに価値を見いだす

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