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紺碧の将

Japanist 、21回目の誕生日(年4回あるもので)

2014.04.22

No.20 表紙&表4 本日、完成する。

 一人で編集するようになってから3回目だが、どんどんデータアップが早くなっている。今回は前回と比べ、3日早かった。流れもスムーズになった。人間、工夫すれば、なんとかなるものだと再認識している。

 精魂込めた仕事がひとつの実を結ぶのは爽快なもので、まして、それを味わってくれる方々がいると思うと、充足感はいや増す。「あんがい大変だけど、やってよかったぁ」と思えるのである。

 

 今号より、作家・内海隆一郎氏の珠玉の短編小説で幕を開ける。

 内海氏は前回の本欄でも紹介したように、すでに60冊以上の著書を出されているベテラン作家であり、市井の人々を描いた心あたたまる作品、いわゆる「ハート・ウォーミング」には定評がある。暗いニュースがあふれる現代において、人々を慰める、「心のビタミン剤」になると確信している。

 今回掲載する『パズルのかけら』は、嫁いでいく娘と両親の心の交流を描いたもの。清涼な読後感に心洗われることだろう。

 巻頭対談では、 初の女性樹木医として活躍中の塚本こなみ氏に登場していただいた。

 植物との交歓、地球へのいたわりなど、「見えないものを観る」慧眼に驚くばかり。と同時に、いつも私が感じていることはまちがっていなかったと援軍を得る思いでもある。

 「ジャパニストの美術散歩」では、京都・西陣の箔工芸作家・裕人礫翔氏に取材した。

 無謀ともいえる独立を決意し、絶望の淵にいた時に慰めてくれた月をテーマにした作品づくりをしている。それまでの技術を駆使して、名作を現代によみがえらせるプロジェクトにも注目してほしい。表紙の作品も礫翔氏のもの。

 「Leaders of JAPAN」では、世界で初めてレーザーターンテーブルを開発した千葉三樹氏に肉薄。

 かつてGE(ゼネラル・エレクトリック)の副社長まで登り詰めた千葉氏は、ジャック・ウェルチに日本語で「バカヤロー」と言い放ち、帰国したということはもはや伝説化している。

 しかし、その後は茨の道を歩むことになる。レーザーでアナログレコードを再生するという、世界で誰もなしとげていなかったテーマに挑み、家屋敷などを売り払いながら個人で10億円を捻出し、見事、夢を実現させる。愚直といって、この人ほど愚直な人にはなかなかお目にかかれまい。

 「日本人のモノづくり」では、世界で初めて超小型通信衛星を実用化した若き中村友哉氏に取材。「夢を追う科学者ではなく、実用に重きを置くエンジニアです」という言葉が印象的だった。私はリアリストが好きだ。

 「転換期のキーパーソン」では、株式会社アイエスエフネットの渡邉幸義氏を紹介する。

 「仕事があるから雇うんじゃない。僕は、雇うために仕事をつくる」という、世間の常識と180度異なる経営方針を掲げ、障がい者、ひきこもり、難病、性同一性障害、生活保護受給者など就労困難者を含め、計3000人に働く場を提供しながら、健全経営を続けている。現代社会が抱える課題を解決する能力を持った人だと思う。

 その驚くべき業績の秘訣とは? 前半・後半の2回に分けて紹介するが、この人も愚直の王様のような人といっていい。いや〜、日本人はスゴイ!

 「じぶん創造物語」では、人形着物創作家の内海栄子氏に取材。

 いにしえから受け継がれてきた古布の素晴らしさと、それを現代に生かす創意工夫……。自分ができることって何だろう? どうすれば人生が有意義で楽しいものになるのだろう?

 そういった問いへのひとつの答えがここにある。

 その他の連載記事も含め、これ1冊熟読すれば、ちょっとだけ日本通になることうけあいです。

(140422 第502回)

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