多樂スパイス
HOME > Chinoma > ブログ【多樂スパイス】 > 30年の思いを一冊に凝縮

30年の思いを一冊に凝縮

2013.11.26

プリント 地球環境の危機が叫ばれて久しいが、森林の急速な減少も大きな問題となっている。今、一年間でほぼ日本全土に匹敵するくらいの森林が消滅しているという。建築材として伐採されているからだ。

 では、その輸入元はどこか?

 それが、わが国・日本なのである。つまり、日本は世界の森林伐採の元凶となっているともいえる。

 そのことをずっと憂えている人がいる。 以前、『Japanist』でも紹介させていただいた田中束(つがね)氏。田中氏は、一年草である高粱を使って木材を量産すれば世界の森林伐採を防ぐことができると着想を得、商品開発を始めた。以来、30年以上、寝ても覚めても高粱のことを考え続け、ついには自社の無公害接着剤を用いて商品開発に成功した。

 〝成功とは、成功するまで続けること〟とは松下幸之助の弁だが、自分の信念に基づいて何十年もやり続けるためにはある楽観性が必要だ。つまり、どんなに逆境にあっても、悪い面を見ずにいい面を見るということ。まさに田中氏は、そんな天真爛漫ともいえるほどの楽観性を備えた人物である。だからこそ30年越しの開発なのである。

 その田中氏が著した、『高粱の一粒』という本がジャパニスト出版より刊行された。ちなみに「高粱」は「コーリャン」と読み、「ジャパニスト出版」は以前の「神楽サロン出版」であり、盟友・奥山秀朗氏が経営している。

 この本の原稿を見せていただいたのは、今年の4月上旬。その後、私が手を入れ、編集することになったのだが、想像以上に時間がかかってしまった。編集だけで5ヶ月もかかってしまったのは初めてのことだ。田中氏の「思い」を疎かにしてはいけないという「思い」があったからだ。気がつけば350ページくらいの文量になっていた。でも、その甲斐あって、品格のある本になったと思う。

 本書は、本サイトからもご注文いただけます。

 (131126 第469回)

Profile

高久多美男

高久 多美男

(撮影:森 日出夫)

●1959年生まれ

●1987年、広告の企画・制作を営む株式会社コンパス・ポイントを設立

●2009年、『Japanist』を編集・発行するジャパニスト株式会社を設立(2019年1月、刊行終了)

●「遊び、学び、仕事は皆同じ」がモットー。すべからく本質を求める

■本は永遠の師匠

19世紀フランス文学から20世紀アメリカ文学、さらには現代日本文学。歴史(特に日本近代史)、あらゆる生活・芸術分野から政治・経済の分野まで、本には強いな愛着を示す

■No Music, No Life

あらゆるクラシック音楽と1950年代以降のジャズ、R&B、60年代以降のロック、ワールドミュージックなど、とにかく雑食

■生涯、美を求めたい

桃山から江戸にかけての日本美術、岡倉天心一派以降の近代絵画を特に好む。ヨーロッパの近代絵画など、こちらも雑食

■敬愛する歴史上の人物

尊敬する人物は大久保利通。ほかに幕末から明治にかけて活躍した男たち。戦国武将では武田信玄、戦後の政治家では岸信介

■思索の遊び

禅、儒学、老荘思想、マキャヴェリズムを組み合わせながら、独自の思想を構築中

■いやなもの

共産主義や日教組などの極端な左翼思想(極端な右翼も嫌い)、地球市民幻想、新興宗教

■その他

日常的に走る他、毎年夏、山に登る。体型はずっと変わらず。便利なことよりも美しさに価値を見いだす

多樂塾

SPONSORED LINK

ココロバエ

Topics

記事一覧へ
Recommend Contents
このページのトップへ