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紺碧の将

Innovative SATOYAMA Cuisine

2013.09.11

成澤シェフと中田氏 このところ、猛烈なスピードで仕事を続けている。

 例えば、『Japanist』の6ページの取材記事なら、朝から書き始め、午後3時くらいには終わっている。

 私は取材記事の場合、ワードは使わない。イラストレータで、ある程度レイアウトした後、直接入力する。このやり方だと、今ページのどのあたりまで進んだかがわかるし、あと何行でフィニッシュにもっていかなきゃという目安がつく。すべて書き終えた後、推敲しながらデザインの微調整を同時にするので、文章のフィニッシュと同時にデザインも終わっているというケースが大半である。

 以前なら6ページの取材記事は3〜4日かけていたが、次号から一人で編集することになり、俄然ペースがあがった。その結果、6ページの記事なら一日も要らないということがわかり、新たな自信につながった。

 なにしろ、編集ばかりやっているわけにはいかないのだ。経営全般をみなければいけないし、本の原稿執筆もあれば、本作りもある。ときどき、広告も創る。人にも会う。そんなわけで、丸一日休んだのは、8月上旬に北アルプスに登って以来、ないような気がする。お盆休みも土日も関係ない。

 とはいうものの、適宜、休憩を採り入れている。新宿御苑を走ったり、あるいは歩いたり、瞑想しながら好きな音楽を聴いたり……。

 結局、気がつくと、仕事をしているという具合だから、やっぱり仕事が好きなんだろうな。

 

 ところで、『Japanist』次号の巻頭対談のゲストは、レストラン「NARISAWA」の成澤由浩シェフ。今まで、私は幾人もの料理人に取材してきたが、彼ほど社会的な意識があり、かつ、独自の哲学を有している料理人に会ったことはない。世の中における自分の軸足が明確で、実際に活動していることも地に足がついている。

 そういう彼の料理を評価したのは、じつは海外の目利きだった。

 彼らは、成澤シェフの料理を「Innovative SATOYAMA Cuisine」と呼んでいる。つまり、革新的な日本の里山料理とでも言うべきか。

 使う食材の9割以上は、日本の産地から直接仕入れている。フォアグラやキャビアやトリュフは使っていない。だから、フランス料理でもない。

 仕入れる材料は、すべて成澤シェフが自ら現地に足を運んで、選んだものだけだ。料理の演出についても独自の哲学がある。

 そんな成澤シェフは、2008年にミシュランで星を獲得、2009年には「ザ・ワールド・50ベストレストラン」に日本で唯一選出され、その後2013年現在も4年連続で選出され続けている。2013年には、The Sustainable Restaurant Award で世界ナンバーワンに選出された。当たり前といえば当たり前の評価であるともいえるし、よくぞ選んだなという気持ちもある。やはり、世間は「いいもの」を見逃しはしないのだ。

 

 とても興味深い料理がある。良質の土を使った「土のスープ」など、〝自然の命をいただく〟ことをコンセプトにした料理だ。

 え? 土を飲むの? と訝る人もいるだろう。

 ま、そのあたりの詳しいことは次号にて。

 いずれにしても、希有な料理人である。

http://www.narisawa-yoshihiro.com/

(130911 第452回 写真上は、対談中の成澤由浩シェフと中田宏氏)

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