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色彩をもつ書家・紫舟と彼女の多彩な表現

2013.05.05

文字の浮遊 世の中には、多くの才能に恵まれた人がいる。ほんのひとつの才能さえ見つけられずに一生を終えていく人がたくさんいるというのに……。

 紫舟という書家もまた多くの才能に恵まれた人だ。

 今、グッチ新宿(新宿駅東口:新宿高野ビル)で紫舟さんの個展、『水滴々 人歩々』展(※みずてきてき ひとてくてくと読む)が開催されている。

 紫舟といえば、NHK大河ドラマ『龍馬伝』の題字を書いたことで有名だ。

 正直、この個展を見るまで、かなり作為的だと思った。つくり過ぎ、こねくり過ぎは今の私の感性に響いてこない。

 しかし、まったく自由奔放なというか、天真爛漫な個展を見て、印象が180度変わった。「書」の枠にはまらない自由な作風は、旧弊への挑戦状とも思えるほどで、作品を見ながら拍手喝采をしてしまった。

 とにかく、弾けている。屏風に絵と書を描いたり(右下写真)、鉄の切り文字を天井からぶら下げてライティングをしたり、きわめつけは、壁の前に立つとその人の影からある文字が浮かび上がって消えていくという仕掛け(写真右上)。「文字」という表現の可能性を、常識にとらわれずに探った、素敵な個展だった。

紫舟展 作品につけている解説もいい。『天星地水』という作品には、「そらは星をかくしているからうつくしい。あしもとは水のめぐみがうつくしい。人には目にみえない心があってうつくしい」、『月火水木金土日』という作品には、「しぜんをつくることばと共に人はくらしているんだね」という文章が添えられている。詩人の片鱗を垣間見せてくれる。

 龍を意匠的に描いたものやユーモラスな魚など、絵の作風も多彩だ。

 同個展は5月19日(日)まで。

http://www.e-sisyu.com/

(130505 第421回)

Profile

高久多美男

高久 多美男

(撮影:森 日出夫)

●1959年生まれ

●1987年、広告の企画・制作を営む株式会社コンパス・ポイントを設立

●2009年、『Japanist』を編集・発行するジャパニスト株式会社を設立(2019年1月、刊行終了)

●「遊び、学び、仕事は皆同じ」がモットー。すべからく本質を求める

■本は永遠の師匠

19世紀フランス文学から20世紀アメリカ文学、さらには現代日本文学。歴史(特に日本近代史)、あらゆる生活・芸術分野から政治・経済の分野まで、本には強いな愛着を示す

■No Music, No Life

あらゆるクラシック音楽と1950年代以降のジャズ、R&B、60年代以降のロック、ワールドミュージックなど、とにかく雑食

■生涯、美を求めたい

桃山から江戸にかけての日本美術、岡倉天心一派以降の近代絵画を特に好む。ヨーロッパの近代絵画など、こちらも雑食

■敬愛する歴史上の人物

尊敬する人物は大久保利通。ほかに幕末から明治にかけて活躍した男たち。戦国武将では武田信玄、戦後の政治家では岸信介

■思索の遊び

禅、儒学、老荘思想、マキャヴェリズムを組み合わせながら、独自の思想を構築中

■いやなもの

共産主義や日教組などの極端な左翼思想(極端な右翼も嫌い)、地球市民幻想、新興宗教

■その他

日常的に走る他、毎年夏、山に登る。体型はずっと変わらず。便利なことよりも美しさに価値を見いだす

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