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文化とビジネスの融合

2007.09.13

 最近でこそご無沙汰だが、一時期、アジアのリゾートにはまった。1995年に初めて訪れたタイのバニヤンツリーというホテルにカルチャーショックを受け、以後、楽園のホテルの虜になってしまった。その間に費やしたお金はいかばかりか。恐ろしくて足し算する気になれない。社員旅行だけでも、バニヤンツリー、ランカウイ島のザ・ダタイ、バリ島のリッツ・カールトン、サムイ島のバーン・タリン・ン・ガムなど名だたるホテルがズラリ。その他、バリにあるアマンキラやアマンダリ、マレーシアのパンコール・ラウ、タンジョン・ジャラ、セブ島のプルクラなど、日本であくせく稼いだお金を東南アジアでせっせと落としていた時期があった。

 おかげで、人間どうしたら最高に気持ちよくなるのか、少しはわかったような気がした。人間、想像だけではいかんともしがたいものがある。体験したことはどんなに想像力を膨らませてもわからないものだ。しかし、あるところまで体験すると、その先は想像できそうな気がする。そういう意味では、立派な?授業料だった。

 さて、SLHという組織(認定機関?)がある。Small Luxury Hotelの略で、要は小さな高級ホテルのことを言う。小さい=極上リゾートの必須条件という図式は言わずもがな。この場合、敷地は広くて、客室数が少ないという意味にとりたい。都市型のホテルでもスモールラグジュアリーがないわけではないが、リゾートでこそスモールの良さは生かせるのだと思う。

 そのSLHが認定した日本で唯一のホテル、それが那須の二期倶楽部である。アジアのスペシャルなリゾートホテルを知っている身にも、二期倶楽部のハイセンスぶりは賞賛に値する。度肝をぬかされるようなサプライズの地形ではないが、約42,000坪という広大な敷地を、スマートに使いこなしているセンスは特筆すべき存在だと思う。

 さて、『fooga』次号では、二期倶楽部オーナーの北山ひとみさんをご紹介する。

 これはあくまでも推測だが、二期倶楽部が始まった当初は、そのホテルのコンセプトにオーバーラップする客層など、全国でもごくごくわずかしかいなかったにちがいない。感性という切り口で日本人をピラミッド型に表現すれば、頂点付近に位置するごくわずかな人たちだろう。彼ら彼女らを対象に、北山さんはずっと変わらぬスタンスで二期倶楽部を育んできたのだと思う。でなければ、今のように知的で静謐でハイセンスな空間になっていないはずだ。

 文学に音楽に映画に美術に演劇に、そして建築にと、幅広い分野に驚くほど造詣の深い北山ひとみとはどのような人物か? これから取材、撮影と続くが、私自身も楽しみである。

(070913 第10回 写真はコンラン設計の東館に立つ北山ひとみさん )

 

 

 

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Profile

髙久多美男

髙久多美男

(撮影:森 日出夫)

●1959年生まれ

●1987年、広告の企画・制作を営む株式会社コンパス・ポイントを設立

●2009年、『Japanist』を編集・発行するジャパニスト株式会社を設立(2019年1月、刊行終了)

●「遊び、学び、仕事は皆同じ」がモットー。すべからく本質を求める

■本は永遠の師匠

19世紀フランス文学から20世紀アメリカ文学、さらには現代日本文学。歴史(特に日本近代史)、あらゆる生活・芸術分野から政治・経済の分野まで、本には強いな愛着を示す

■No Music, No Life

あらゆるクラシック音楽と1950年代以降のジャズ、R&B、60年代以降のロック、ワールドミュージックなど、とにかく雑食

■生涯、美を求めたい

桃山から江戸にかけての日本美術、岡倉天心一派以降の近代絵画を特に好む。ヨーロッパの近代絵画など、こちらも雑食

■敬愛する歴史上の人物

尊敬する人物は大久保利通。ほかに幕末から明治にかけて活躍した男たち。戦国武将では武田信玄、戦後の政治家では岸信介

■思索の遊び

禅、儒学、老荘思想、マキャヴェリズムを組み合わせながら、独自の思想を構築中

■いやなもの

共産主義や日教組などの極端な左翼思想(極端な右翼も嫌い)、地球市民幻想、新興宗教

■その他

日常的に走る他、毎年夏、山に登る。体型はずっと変わらず。便利なことよりも美しさに価値を見いだす

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