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紺碧の将

とことんのめりこめる幸せ

2025.09.07

 前回に続いて美術ネタを。

 三井記念美術館で「花と鳥」展を開催している。花と鳥をモチーフにした絵画や陶器、茶道具など、いかにも〝通〟好みのセレクションで、じっくり堪能できた。

 ひときわ目を引かれたのが、渡辺始興の『鳥類真写図巻』。全長17.5メートルの長い巻物に63種類の鳥が描かれている。

 渡辺始興という画家は初めて知ったが、その鋭い観察眼に驚いた。鳥の形や羽、体毛などが正確に描かれているようで、よく見ると、略しているところが結構ある。つまり、取捨選択をしているのだ。このあたりが図鑑の絵とは異なるところ。りっぱに美術となっている。

 かと思えば、鳥の大きさなど、特徴が文字で添えられている。

 ひとつわかったことは、「鳥が好きでしかたがない」という画家の心である。そうでもなければ、こんなに長い巻物に鳥だけを描くということはしないだろう。

 いいな、なにかにとことんのめりこめるって。

 私は好きなことがたくさんあり、これ一つ! に絞り込むことができない人間だ。いろいろなものをバランスよく組み合わせることによって充足度が高まるということをよく知っている。そういう意味では、自分の名前にある「多」は、自分という人間を的確に表したキーワードだと思っている。

 そんな人間だから、一つのことにのめりこめる人はすごいなと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(250907 第1287回)

 

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