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紺碧の将

知的な大阪

2022.05.30

 前回は庶民的な大阪について書いたが、今回は〝知的な〟大阪を。

 今年2月開館したばかりの大阪中之島美術館と、今年4月にリニューアルオープンした藤田美術館へ行った。

 前者は名前の通り、堂島川と土佐堀川にはさまれた中之島エリアに建つ。1983年に構想が始まったが、途中、財政難で計画が頓挫。ようやく、誕生した。近くには国立国際美術館もある。設計は、遠藤克彦氏。黒いキューブ状の外観が特長だ。

 大阪といえば、川を思い浮かべる。おそらく、宮本輝の『泥の河』がそうさせるのだろう。けっしてきれいな川ではないが、幾筋もの川が市街地を流れ、独特の風情を醸している。

 現在、同館ではモディリアーニ展が開催されている。モディリアーニはなぜか日本人に人気がある。シンプルな構図が魅きつけるのだろう。ジャンヌ・エビュテルヌとの悲恋も加わっているかもしれない。

 建て替え後事のため、長く休館していた藤田美術館は、以前から行きたいと思っていた美術館のひとつ。ようやく先月、リニューアルオープンした。

 明治の武器商・藤田傳三郎とその息子、平太郎と徳次郎によって集められた美術品を展示している。

 曜変天目茶碗(国宝)をはじめ、重要文化財も多数ある。千利休の茶杓をまじまじと見ると、この美術品の価値はなかなか外国人には理解できないだろうなと思う。もちろん、決めつけはいけないが……。「ただの竹の切れっ端じゃないの?」と言われれば、返す言葉もない。

 でも、じーっと見つめていると、その背後に利休の顔が浮かんでくる。たっぷり利休に愛されたからだろう。

 

 パリには、個人美術館も含めれば、100もの美術館がある。東京にもそれに近い数はあるはず。大阪の美術探訪も面白いかもしれない。

 

壁の素材がユニーク。アスファルトを荒くしたもの?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

美へのエスカレーター

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヤノベケンジの「ジャイアント・トらやん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

モディリアーニの「髪をほどいた横たわる裸婦」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

モディリアーニの「少女の肖像」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

藤田美術館の外観

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

曜変天目茶碗

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

展示室の隣にある部屋から見た借景。まるで一幅の風景画のよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(220530 第1130回)

 

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