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紺碧の将

創業35年ニ思フ

2022.04.04

 1年前、国税庁の資料によると、会社が10年続く確率は約6%、20年続く確率は0.4%、30年続く確率は0.021%だということを書いた。 

 弊社(株式会社コンパス・ポイント)が満35年を迎えた。30年続く会社は5000社に1社しかないというデータに照らせば、長生きしている会社といっていいだろう。世の中には何百年も続いている会社があるのだから、35年くらいは洟垂れ小僧のようなものだろうが、私のような人間にとって、35年も事業を続けられたというのは、ちょっとした奇跡に思えるのだ。

〝私のような〟というのは、流行に乗るのを由とせず、世の中の常識に懐疑的で、お金を儲けることの優先順位があまり高くないという人間という意味だ。飲食やゴルフをともなう接待はゼロ。同業者の組織にはいっさい入っていない。場外乱闘をしなければこの仕事を続けられないのであれば、この仕事の能力がないと思っていた20代の頃と考えは同じである。そもそも、おべんちゃらを言いながらお酌をしている自分の姿がまるで思い浮かばない。それは、自分に対する不信任決議をするのと同じ。仕事がうまくできた結果、利益が出るのはうれしいが、「こうすると、こんなに儲かりますよ」という話は好きではない。

 ……とはいえ、逆説的に考えるのなら、〝だからこそ〟35年続いているのかもしれない。

 40代前半から60歳まで約18年間、『fooga』と『Japanist』という自社媒体を定期刊行していた時期と比べると、いまは解放されている感がある。自分のことながら、よくぞあんなに長い期間、雑誌を作り続けてきたものだと感心し、また呆れもする。もちろん、それによって得たものははかりしれないほど多いのだが……。

 会社の目指すところははっきりしている。

「知財創造企業たらん」

 規模の大きさは追わない。むしろ小粒でいい。ピリリと個性の効いた、ユニークな仕事をすることで、自分たちの地歩を築いていきたい。

 あらゆる業界に言えることだが、ますます難しい時代になってきた。しかし、〝だからこそ〟あれこれ考えるのがオモシロイのである。また、そう思えなかったら、この仕事を続ける意味はない。

(220404 第1122回)

 

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