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かの花の役割は

2011.08.19

 前回に続き、山の話題を。

 山は登るにしろ下るにしろ肉体的にはハードだが、視線はあちこちに釘付けとなり、結果的に疲れを癒してくれることになる。遠くの山並みを見ては、「すっげー、あれはもしかして高天の原かぁ」と声をあげたり、足下の高山植物を見ては、「かっわいいー! きれいー!」を連発することになる。つまり、私の目は望遠レンズになったり接写レンズになったり、じつに忙しく焦点を変えることとなる。

 ことに高山植物をまじまじと見たときの感動といったら……。残念ながらそれを正確に形容する術を私はもっていない。

 以前も書いたことがあるが、どうしてあれほど劣悪な環境の中、あんなにも可憐な花を咲かせることができるのか不思議でしかたがない。地面はゴツゴツとした岩ばかりだったり、夕方以降は寒風吹きすさぶ悪天候の連続だったり、なにしろ生育の条件は最悪に近い。わが身を守るためか、ほとんどのサイズは小さい。背丈もあまり伸びないものが多い。しかし、花は上品だ。毒々しいものはほとんどない。葉や花びらは肉厚なものが多いが、なかには透き通るように薄いものもある。ほとんど名前を知らないのが悔しくてならないが、ゼーゼーと息をはずませているとき、彼ら彼女らからもらうエネルギーはけっして少なくはない。

 高山植物は過酷な環境下、自らのことは顧みず、多くのものを他者に与えている。そう思えてしかたがないのだ。

(110819 第274回 写真は北岳の高山植物)

 

 

 

 

 

Profile

高久多美男

高久 多美男

(撮影:森 日出夫)

●1959年生まれ

●1987年、広告の企画・制作を営む株式会社コンパス・ポイントを設立

●2009年、『Japanist』を編集・発行するジャパニスト株式会社を設立(2019年1月、刊行終了)

●「遊び、学び、仕事は皆同じ」がモットー。すべからく本質を求める

■本は永遠の師匠

19世紀フランス文学から20世紀アメリカ文学、さらには現代日本文学。歴史(特に日本近代史)、あらゆる生活・芸術分野から政治・経済の分野まで、本には強いな愛着を示す

■No Music, No Life

あらゆるクラシック音楽と1950年代以降のジャズ、R&B、60年代以降のロック、ワールドミュージックなど、とにかく雑食

■生涯、美を求めたい

桃山から江戸にかけての日本美術、岡倉天心一派以降の近代絵画を特に好む。ヨーロッパの近代絵画など、こちらも雑食

■敬愛する歴史上の人物

尊敬する人物は大久保利通。ほかに幕末から明治にかけて活躍した男たち。戦国武将では武田信玄、戦後の政治家では岸信介

■思索の遊び

禅、儒学、老荘思想、マキャヴェリズムを組み合わせながら、独自の思想を構築中

■いやなもの

共産主義や日教組などの極端な左翼思想(極端な右翼も嫌い)、地球市民幻想、新興宗教

■その他

日常的に走る他、毎年夏、山に登る。体型はずっと変わらず。便利なことよりも美しさに価値を見いだす

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