日本人として覚えておきたい ちからのある言葉【格言・名言】
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古来、会議でものになった事柄があるか

『竜馬がゆく』より

 司馬遼太郎の名著『竜馬がゆく』にある名文句。三菱財閥の創業者、岩崎弥太郎の言葉だ。下級武士から実業家へと成り上がった弥太郎の豪気さがうかがえる。いかにも西洋的で日本人の村社会には馴染まない言葉だろうが、有事においては至言になる。
 
 天平18年、相模小田原城内で後北条氏による重臣会議が開かれた。豊臣勢が攻めよせるなか、老臣松平憲秀は籠城を、北条氏邦は夜戦を主張して意見が分裂。2度にわたる評議をするも意見はまとまることなく、ついに北条氏は滅亡。戦国時代は幕を閉じた。
 

 かの有名な「小田原評定」である。
 
 古来より、日本人は会議が好きらしい。
 今もどこかで、無用な会議が開かれているのではないか。
 
 世界中のどこに、狼が襲ってきても戦うどころか逃げもせず、身を寄せ合って話し合う羊がいるだろう。
 

「1頭の羊に率いられた100頭の狼群は、1頭の狼に率いられた100頭の羊群に敗北する」とはナポレオンの言葉だが、なるほど言い得て妙である。
 
 リーダーの優劣によって、群れの存命が左右されるということだろう。

 

「古来、会議でものになった事柄があるか。物を創り出すのは一人の頭脳さえあればいい。衆愚が百人集まっても、時間がつぶれ、湯茶の浪費となり、厠に無能者の小便がたまっていくばかり」
 
 岩崎弥太郎の苛烈な言葉を、自分自身に向けての叱咤と聞いてみる。
 一人ひとりがそう思って開く会議ならば、同志の集いとなって、意義あるものになるかもしれない。
 
 平時には準備を、有事には行動を。
 時を見極める重要性は、リーダーも一個人も変わりはない。

 

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 今回は、「雲の鼓」を紹介。雲に鼓とくれば、鬼。「風神雷神図屏風」の雷神が浮かびませんか。そのとおり、「雲の鼓(くものつづみ)」とは「雷」のこと。続きは……。

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(200729 第656回)

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紺碧の将

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