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教育の主たる目的は、平凡な社会には適応しない人間をつくることである

ノースロップ・フライ

 カナダの文芸評論家、ノースロップ・フライの言葉だ。これまでノーマークだった彼はウィキペディアによると、「20世紀でもっとも影響力をもった文学理論家のひとり」だという。ウィリアム・ブレイクの詩を論じて一世を風靡したらしい。
 この言葉は、アメリカの書評家マイケル・ディルダの著書『本から引き出された本』の中にある。
 
 世間を見渡してみると、気づくことがある。
 
 たとえば書店。
 自己啓発や生き方のルールを紹介する本の山をみれば、現代人の抱えている問題がつぶさにわかる。
 生きづらさを抱えている人の、なんと多いことかと。
 
 たとえば地方移住者の増加。
 それまでの生き方にピリオドをうち、新しい人生を歩もうとする人たちに、若者が多いということ。
 時間の使い方や働き方はひとつではないと、人生の早い段階で気づいているのだろう。
 
 たとえば文化芸術、新規事業など。
 新しい発想、かつて見たことのない作品の数々、斬新なアイデア、企画……。
 それらを生み出した人たちの多くが、凡庸ではない思考回路の持ち主。彼らは物事を正面からだけでなく、上下、左右、斜め、全体、部分と、さまざまな方向から眺めることができる。
 
 他にもまだまだあるだろうが、それらに共通するものをあげるとすると、「枠」ではないかと思う。
 それも「誰かがつくった枠」。
 その枠に収まる人(収まろうとする人)と、そうでない人の違いが生き方を二分しているような気がする。
 
 収まる人は、生きづらさを抱えている人が多い。
 収まらない人は、不思議と人生を楽しんでいる。

 凡庸ではないがために、平凡な社会には適応していないというのに。

 

 なぜか。 

 彼らは人生を肯定できる力に長けているのだ。
 自分を喜ばせる楽しみがあるという強みにおいて。

 
  その楽しみは多くの場合、他人にはどうでもいいことだったり、役に立ちそうもないことだったりする。
 だとしても、その楽しみが彼らの「生」を支えているのは間違いないだろう。
 
 ノースロップ・フライの言う「教育の主たる目的」に当てはめて考えてみると、
「平凡な社会には適応しない人間をつくること」とは、
 どんな自分であっても、その「生」を全面的に肯定できる人間をつくることではないか、ということに行き着く。
 
 なんの役にも立ちそうもないことを楽しんでいる彼らの「生」への歓喜は、まわりを楽しませ、喜ばせているのだから。

 

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(210306 第706回)

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