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それぞれの違った「遊び」のある動きが地震の揺れを吸収するんですわ

西岡常一

 本欄でおなじみ、宮大工の西岡常一棟梁の言葉をもうひとつ。いつの時代にも通じる普遍的な西岡棟梁の教えは、今こそ多くの人に知ってほしい。「死ぬまでに読むべき300冊の本」でも紹介している『木のいのち木のこころ(天・地・人)』の「天」編から抜粋した。

 

 法隆寺の柱の下にある礎石を見たことがあるだろうか。

 1300年以上もの建物を支えている柱の真下の石は、ごろごろと転がりそうなほど、ひとつとして同じものはない。すべて、形のちがう自然石である。

 それが、あの大きな建物を1000年以上も支えているのだ。

 なぜか。

 

「柱の木は全部個性がありますし、強さも違いますな。それが同じ石の上に乗せられ、同じように揺すられて同じ力が出せますか。地震がきたら、いっせいに揺れますわな。今の建物は土台はボルトで止められていますから、みんな同じ方向に揺れて『遊び』がない。揺れをすべて同じ方向に取ってしまいますわ。上に行くほど揺れは大きゅうなって、しまいには崩れてしまいます。

 自然石の上に立てられた柱の底は方向がまちまちです。地震がきて揺すられても力のかかり方が違いますわ」

 

 個性が違うものを、同じ土台の上へ乗せても、大きな揺れがあれば一気に崩れる。

 それぞれ違った「遊び」のある動きが、大きな揺れを吸収し、生き残ることができるのだ。

 

 それは、個人も企業も国も、すべて同じ。

 団結力というのは、均一なロボット集団の力を言うのではない。

 右に左に揺れるゆらぎを受け止められる、個性という「遊び」の集まりが大きな力になる。

 

 土台として、まずは「遊び心」を大切にしよう。

 

「美しい日本のことば」連載中

(181112 第359回)

 

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