病気は“治す”ものではなく“学ぶ”ものです
自然食・自然療法の大家として知られる東城百合子氏の言葉である。
東城氏は、長年患っていた結核を自然療法によって完治させた経験から、自然の力を見つめ直すよう世の中に発信している。
東城氏いわく、自然治癒力という言葉どおり、本来病気は「自然」が治してくれるもので、食べ物を選ぶのは自分だが、血液を作り栄養を回すのは「自然の力」なのだ。
目に見える現象をどう捉えるか。それによって、その後の対処の仕方も異なれば、結果も異なる。
かのスティーブ・ジョブズはこう言い残している。
「多くの場合、人は形にして見せてもらうまで自分は何がほしいかわからないものだ」と。
つまり、多くの人間は、現象となって目に見えるまで、自分の心は分からないということ。いや、もっと言えば、目に見えていても気づかないし、気づこうとしない。それが、何を意味しているのかを。
スティーブ・ジョブズの言葉を借りるならば、病気という現象は、本当の自分が求めている食べ物や生き方はこうじゃないよ、とのメッセージではないか。
それを、薬によって押さえつけたところで、自分が気づいていない本当の自分が暴れ出すのはわかりきったこと。薬漬けにすればするほど本当の自分は狂い出す。
病気に限ったことではない。
人は自分が見たいものしか見ないというのであれば、自分の目に映る現象はすべて自分に向けられたメッセージだと受け取れるだろう。
人の良いところを素直に認められるのは自分自身にも同じだろうし、反対に、人の悪いところばかりが目について批判したり、良いところを認めようとしないのもそうだろう。そこから何を学ぶかが問題なのだ。
それができてはじめて、見たいもの以外の世の中を見通す眼力が養われるのではないか。
まずは、物事を見る眼と自分の心を内観する眼を養いたい。
(160416 第186回)