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紺碧の将

考える物差しは「美しき生きる」

中村桂子

 素敵な人がいる。生命学者で「JT生命誌研究館」の名誉館長である中村桂子さん。ある雑誌に、次のようなことを書いていた。

 

――研究館を始めてから、考える物差しは「美しき生きる」と決めています。美しくないことはしない。行きすぎた科学の研究もそのひとつです。科学技術で人を変えるよりも、ひとつの生命を大切にすること。その存在を楽しむことのできる社会をつくることが、人間のできる、筋の通った生き方だと思うのです。

 

 こうまで社会全体を俯瞰して自らの使命を客観視できる科学者はそうそういまい。どうしても目先の研究に没頭しがちで、独自の研究成果をあげたがる。原子力だって人工知能(AI)だって、最初は純粋な動機から研究・開発されたものだが、それを利用する人が善人ばかりとは限らない。

 中村さんは、そういうことを「行きすぎた科学の研究」と言い、一人ひとりの生命を大切にする研究を続けている。そんな彼女の思想が詰まった『生命誌とは何か』は名著といっていい。いずれ本サイトの本のコラムで紹介しようと考えている。

 

 傲岸を承知で書けば、不肖・私も「Art of Life」、つまり生活そのものがアートのようになることを目指している。だから中村桂子さんについては同志を得た思いである(勝手な思いではあるが……)。

(250602 第879回)

 

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