日本人として覚えておきたい ちからのある言葉【格言・名言】
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いま何をしようかではなく、自分はいま何をしているのか

永井宗直

 横須賀にある建長寺派のお寺、満願寺の永井宗直住職の言葉を紹介。数年前の『Discover Japan』の禅特集で、禅的な生活をする上での重要なポイントとして、こう語っていた。つまり、「いま・ここ」の教えである。
 
 とかく人は何かとすぐに忘れる。
「わかっちゃいるけど、やめられねぇ」のが人なのだ。
 
 だから、何度も言い聞かせる。
「今に集中しろ!」
 と、他人にも、自分にも。
 

 予備校講師の林修さんなら言うだろう。

「いつやるか? いまでしょ」と。

 

 永井和尚によれば、このセリフは禅の世界では当たり前なんだそうな。
 老師たちはたびたび修行僧へ叱咤激励の檄を飛ばす。

「いまやらんでいつやる!」
 
 せかせかと忙しない日常があるかと思えば、気ばかりが焦って何をしていいのかわからないという時もある。
 世間のスピードに足並みが揃わなくて悩んだり、落ち込んだりすることもある。

 ニンゲンだもの。
 

 心身が疲れ切った時は休んでいい。
 でも、ずっと休みっぱなしも気が引ける。
 さて、どうしたものやら……。
 
 と、そんな時こそ「いま」を問うのだと永井和尚。
 
「いま何をしようかではなく、自分はいま何をしているのか」
 
 常に「いま」を問うことで、本来の自分が見えてくるという。
 つまり、自問自答を繰り返す中で見えてくる「本来の自分」との対峙は、「いま」の自分に必要なこととの対峙なのだ。
 
 自分はいま何をしているのだろう。
 何かをしているかもしれないし、
「何もしていない」ことをしているかもしれない。
 
 つい忘れそうになる「いま」を、もう一度見つめ直してみよう。
 いま必要なものが見えてくる。

 

神谷真理子(本コラム執筆者)公式サイト「ma」

 

●「美しい日本のことば」連載中

 今回は「夕間暮れ」を紹介。一日の中で、美しさと寂しさが同居する時間といえば、夕ぐれ時でしょうか。一年の中では秋。「秋は夕ぐれ」と言った清少納言の気持ちがよくわかります。続きは……。

●「日日是食日」連載中

(210916 第748回)

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紺碧の将

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