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紺碧の将
Interview Blog vol.88

人の喜ぶ顔が好き。花で人を笑顔にしたい

「Space Boketto」代表・フラワーディレクター織田麻弥さん

2019.11.10

世田谷区用賀にある小さなお花屋さん、「Space Boketto」。出迎えてくれたのは、豊潤な花々の香りとフラワーディレクターの織田麻弥さんの満開の笑顔でした。自動車会社への花束納入、CM制作、作庭など、織田さんの花仕事は多岐に渡ります。
店名の「Boketto(ボケット)」は外国語ではなく、日本語の「ぼーっと」する意味の「ぼけっと」。その名の通り、店の奥にはヨガスペースがあり、植物とヨガを通して心と身体にゆったりとした空間を与えてくれます。
人が好きで、人を一瞬で笑顔にする花が大好きだという織田さんの魅力に迫ってみました。

花への一途な思い

織田さんは以前、ガラス作家の植木寛子さんのマネージャーをされていたらしいですね。植木さんとは幼馴染とうかがいました。

 葛飾区生まれで、彼女が松戸に引っ越す小学4年生まで一緒でした。お互い絵が好きで、ライバルのような関係でしたが、仲は良かったです。離れてからもたびたび会う機会があり、付き合いは長いですね。

植木さんは織田さんの方が絵が上手だったとおっしゃっていましたが、どうですか。

 対象物を正確に描くのはうまかったかもしれませんが、彼女の方が色彩のセンスもあって断然うまかったですよ。消防署のコンクールに応募して、彼女は最優秀賞に選ばれ、上野の国立西洋美術館に展示されました。

植木さんはガラス作家、織田さんはフラワーディレクターと、幼馴染の二人がそれぞれ第一線で活躍されているのも珍しいです。織田さんはなぜ、花の道に進もうと思われたのですか。

 昔から花が好きだったんです。好きすぎて、中学1年生くらいから近くの花屋に通いつめていました。
 花って、一瞬で人を笑顔にしますよね。私は人が喜ぶ顔を見るのが好きなんです。よく、友達や母や友人に花をプレゼントしていました。

というと、その頃から花屋になろうと思っていたのですか。

 はい。とにかく花が好きで好きで、花の世界に入ることしか考えていませんでした。

「好き」が広げる「学び」

夢が叶ったということですね。しかし、織田さんは一般的な花屋とは違いますね。

 花屋にはなりたいと思っていましたが、かといって花を売るだけではおもしろくないので、飲食店と花とか、アートと花というように、花と何かを組み合わせたお店や、花で何かを演出するようなことをイメージしていました。

だとすると、花屋以外の知識も必要ですね。

 花屋以外にも、いくつかアルバイトを掛け持ちしていました。本格的に花の勉強をしたいと思い、留学するための費用を貯めるために派遣で葬儀の花屋のバイトも始めました。

一般的な花屋と葬儀屋の花屋とは、どう違うのですか。

 まず、選ぶ花が違います。葬儀の花は基本的に菊の花で、色や開き具合を考えながら葬儀場や供花を設えていきます。

留学期間はどれくらいだったのですか。

 結局、行かなかったんですよ。派遣先の社長から知人の冠婚葬祭業の社長に紹介されて、当時お世話になっていた社長から「3年でいっぱしの花屋に育ててやる」と言われ、お願いすることにしたんです。その期間は、本当に職人の修業でしたね。手ゼリにも行きました。
 花に関することならなんでも学びたくて、生け花もやりました。お花を買いに来てくださっていた生け花の先生に何度か会ううちに、この先生に学びたいと思い、半年かけて口説き落としました。
 すごく人気のある先生だったんですよ。ですから、新しい生徒を受け入れていないのはわかってはいたのですが、断り続けられても、どうしても先生に学びたいと懇願し続けて、半年後にようやく承諾をいただきました。
 先生に会うたびにいただく一言ひとことが胸に刺さって、この先生に人生を教えてもらいたいと思ったのです。

たとえば、どういう言葉だったのですか。

「花というのは人生そのもの」という、格言になりそうな言葉をたくさんいただきました。尊敬できる人の側にいると感化されますよね。私はそれが好きで、先生に感化されたいと思いました。

こうしたいという明確なものがあると、何を学べばいいかがはっきりしますね。他にはどういうことを学ばれましたか。

 飲食店でアルバイトをしながら調理や経営を学びました。バーテンもやったことがあります。当時は昼間は花屋、それが終わったら飲食店でアルバイトというように、働きづめの毎日でしたね。仕事をしたあとに遊び、そのまま寝ずに仕事に行くということがよくあって、20代は遊びも仕事も全力でやっていました。

お庭作りもされるそうですね。

はい。切り花と違って地植えの植物は育つまで時間がかかりますし、開花時期もまちまちで、季節によって風景が変わるのがいいですよね。

「Space Boketto」オープン

このお店は、いつオープンしたのですか。

 3年前の2016年です。「Space Boketto」という店名のとおり、忙しい毎日の中にも、ぼけっとする時間やゆったり過ごす時間をお持ちいただけたらと店の奥にヨガスペースを設けています。花とヨガで、心と身体をリラックスしていただけると嬉しいですね。

織田さんの仕事のモットーと、今後の展開を教えてください。

 心がけているのは、相手の顔が見える花作りです。花束をもらう人はもちろん、あげる人が嬉しくなるような花を作ろうと思っています。花は人の一生を通じて、生から死まで登場するものですよね。私はこれまでずっと人に助けられてきましたから、今度は私が花で人を喜ばせたい。20代はがむしゃらに走り続け、30代で仕事が確立できました。これからの40代は表現することが目標です。今後どういう展開になるかはわかりませんが、それが楽しみです。

Information

【Space Boketto】

〒158-0097
東京都世田谷区用賀4-18-10-102
TEL&FAX : 03-6411-7737     
E-MAIL : spaceboketto@gmail.com
URL : https://space-boketto.localinfo.jp

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〒141-0032
東京都品川区大崎1-17-3
HIROKO ART GLASS ビル1F

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