発見の旅とは新しい景色を探すことではない。新しい目で見ることなのだ。
マルセル・プルースト
世界文学史に残る大作『失われた時を求めて』の作者であるプルーストは、物事を見る達人でもあった。もっとも、それがなかったら、百年もの間、世界の文学ファンをうならせることなどできなかっただろう。
目の前にあるもの(人の営み・風景・物など)は同じであっても、人によって、異なる見方をする。人間は自分が見たいように見るからだが、その習性を凌駕するには、未知のものと遭遇することが一番だと思う。
しばしば、海外に住んだことのある人は、日本の長所と短所に意識がいくと言われている。やがてそういう意識は母国への愛着という形で心に根を下ろすことになる。それは自分の生まれた国を相対化したことによって得られた境涯とも言えよう。
旅をしよう。そして、世間と世界を広げよう。物事を新しい目で見ることができるように。
(251216 第888回)
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