自分の姿に気づいて自然にかえる努力をした時に、自然の見えない力に助けてもらえるようになるのです
自然食、自然療法の大家として知られる東城百合子さんは御年92歳。今も毎日出社し、料理教室の生徒たちに食の大切さを伝えているという。また、月刊誌『あなたと健康』の執筆は45年間続いているというのだから、驚きを通り越して心から尊敬する。その東城さんの言葉だから、ずしりと重い。
生きるか死ぬかという大病を患った人が、奇跡的に回復したという話はよくある。
一方で、あんなに健康に気をつけていて元気だった人がなぜ?
ということも。
その違いは何か。
東城さんいわく、自然の力を味方につけているかどうか。
「病気という縁は必要があっていただいたものです。これまでの生き方や考え方の間違いを正すことからはじめなくてはいけません。
まずは、自分の姿に素直にうなずことが大切です。
責任を何かに押しつけてごまかすのではなく、認めることです」
病気というのは気が病むと書く。
気の通り道、神の経(みち)が病んでいるということ。
神の経がふさがれ、自然の力が通れなくなっているのだ。
つまり、病気の多くは神経の不具合によって起きているということがわかる。
かたくなに我を推し通すだけでは、神経はピリピリと痙攣し、やがて麻痺していくだろう。
短気になり、怒りっぽく、思うようにならないと周りのせいにして当たり散らす。
それらはみな、神経の麻痺によるものと言っても過言ではない。
どんなに良いこと、良い物であっても、神経がせき止められていては、その力をいただくことはできない。
「自分の歩いてきた道を正し、実践しておのれを磨くのが自然療法で、自然にかえる一筋の道なのです。この実践力、行動力が養われたら運命も変わるのです」
何が良くて何が悪いのかを頭で判断する前に、まず、自分の姿、現状を見つめ直す。
見て見ぬふりをしたり、否定するのではなく、ありのままの、現時点での自分の姿に素直にうなずくことができたら、きっと、自然は喜んで応援してくれるだろう。
(180512 第429回)