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下宿屋のまずい飯を一日に十返食ったら物足りる様になるか考えてみろ

『三四郎』より

  夏目漱石の『三四郎』より抜粋した。主人公三四郎の友人、佐々木与次郎の言葉である。

 昨年は漱石の没後100年、今年2017年は生誕150年とあって、テレビや雑誌でも特集が組まれることも多く、書店には昨年刊行された全集を始めとする漱石の書籍が所狭しとならぶ。本物は時代を超えても生き続けるという証だ。

 

 毎日せっせと大学に通い、律儀に講義を聞く三四郎。

 しかし、どんなに聞いても物足りない。

「これいかに」と訊ねる三四郎に呆れる与次郎。

「馬鹿々々、下宿屋のまずい飯を一日に十返食ったら物足りる様になるか考えてみろ」

 いきなり警句をもってどやしつけた与次郎であった。

 

 言い得て妙である。

 おもしろくもない講義をどれだけ受講しようと、頭の足しになるどころか腹の足しにもならない。

 焼き肉を食べたくてしょうがないのに、牛丼を何杯食べたところで腹は満たされても心は満足しない。

 次から次へと適当なもので気を紛らせることが、はたして心の平安につながるだろうか。

 否、つながりはしまい。

 

 世の中を見渡すと、〝安物買いの銭失い〟の多いこと。

 お金に限ったことではない。

 時間しかり、友人知人しかりである。

 質より量を選ぶかぎり、心は決して満たされないと、与次郎は言うのであった。

(170103 第270回)

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