多樂スパイス
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自分が好きなことを見つけて無我夢中で取り組み、ひとつずつ目標をクリアする。そうやって愉しみながら、自分という人間をぶ厚くしていく……。今がベストで、未来には未知の楽しみがある。これが、多樂の本質である、と『多樂スパイラル』のまえがきで書いたが、その原理原則は今も変わっていない。

日々の生活のなかで、森羅万象に潜む多樂をいかに味わうか。心に映りゆくよしなごとを書き留めておこう。それが読者の方々にとって、なんらかのスパイスになればとの願いもこめて…。

 

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今、この瞬間も恐怖に怯えている人がいる

2013.06.18

石垣島の海 中国の女性人権活動家・劉萍さんが違法に集会を開いたという容疑で考案当局に逮捕された。

 この場合の違法とは、どういうことか。

 ただ単に、政府高官の資産公開を求めただけのことだ。政府高官など支配層の汚職など、腐敗は尋常ならざるものがあり、そのために資産公開を求めたのである(もっとも、もし劉萍さんの主張通りになっても、正確な資産額が公開される可能性はゼロに近いと思うが。あの共産党だからね)。

 その後、彼女が釈放されたかどうかわからないが、まだ拘留中であれば、今頃、過酷な拷問を受けていることだろう。なにしろ、中国共産党の概念に「人権」という文字はない。拷問など日常茶飯事、それでも「矯正」されなければ「行方不明」になってしまい、それで「おしまい」だ。

 中国の治安維持費は軍事費よりも多額だ。国内の「不穏分子」を片っ端から捕らえ、拷問にかけている。天安門事件から24年にあたる9月4日を目前にして、共産党はネットでの検索禁止、追悼集会の禁止など、厳戒態勢を敷いた。

 櫻井よしこ氏の著書『甦れ、日本』に、中国で行われている拷問のことが書かれている。特にチベット人やウイグル人に対する拷問は残忍だ。チベットでは、ダライ・ラマ14世や焼身自殺した人の写真を持っているだけで懲役刑を受けることがある。彼らが取り調べの途中で受けた拷問に関しては、多くの人たちの証言があるので、信憑性は高い。

 それによると、鉄パイプや電気棒での殴打、爪に針を通す、電気ワイヤーを舌に当てる、後ろ手に縛り天上から逆さづりにする等、どれも激痛を伴うものばかりだ。極寒の冬、シャツ一枚で直立不動にさせ、少しでも動くと激しく殴打するなど、ほんとうにこれが現代社会の話かと思うくらいひどい拷問が繰り広げられている。

 ときどき、チベットの僧が焼身自殺を図ったというニュースが流れてくる。今年3月の時点で、焼身自殺をしたチベット人は107名に達した。実際はさらに多いのではないかと言われている。

 焼身自殺はいったい何を意味するのか。

 情報統制が敷かれているチベットでは、実際にそこで行われている中国による弾圧が国際社会に伝わらない。そのため、身をもって世界に発信しているのだ。好きで焼身自殺をする人なんているわけがない。

 第一、チベットもウイグルも中国の領土ではない。歴史的にも民族的にも独立している。ちなみに台湾が中国領ではないことも明々白々。これまで一度たりとも中国共産党が足を踏み入れたことはないのだから。結局、チベットもウイグルもただ中国の領土的野心の犠牲になっているだけのことだ。国民総幸福度を追求しているブータンも、今、どんどん中国の浸食をうけ、領土を減らしている。理想だけでは他国からの侵略を防ぐことはできないし、地下資源がなければ世界から見向きもされない。それが現実の国際社会だ。

 なぜ、国際社会はこういう非人道的行為に目を向けないのか。メディアはもっと大々的に報道しないのか(もっとも、国際社会がまったく手をこまねいているわけではない。わが国でも、2012年4月、国会議員91人が超党派でチベット亡命政府のロブサン・センゲ首相を日本に招き、チベットの実情について調査をしている)。

 答えはわかっている。中国との利害関係がそうさせているのだ。背に腹は代えられないというわけだ。

 中国人一人ひとりがいけないと言っているわけではない。むしろ、中国の民も共産党政権の犠牲者なのかもしれない。だからこそ、共産党政権の維持の片棒を担ぐことはいけないと思う。

 安倍さんが総理に返り咲いて以来、なにが素晴らしいって、アベノミクスではなく中国包囲網の外交を展開していることだ。中国は毅然とした態度を示されれば、及び腰になる。民主党政権は、そういう意味でも、中国の侵入を加速させることになったが、その失点を安倍さんが回復させようとしている。

 いずれにしても、尖閣諸島をとられたら日本のシーレーンは脅かされ、中国の言いなりにならなければ海外からの輸入もままならない状況になるのは明白。

 そういうことを本気で心配している人はどれくらいいるのだろうか。そっちの方も心配だ。

(130618 第432回 写真は、石垣島の海岸。尖閣諸島はもう間近だ)

 

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